第111話 日本と異世界の違いに驚愕……。 (8)

 それも、相変わらず絶叫染みた声を上げ──!


「うげっ、うがっ、うごっ、うが、ががが~。痛い~! 痛いよぉおおお~!」と。


 儂は絶叫を上げながら、自身の両腕を使用して、さくらに抗い始めた。


「大人しくしなさい~! あなた~! むだな抵抗はよしなさい~!」


 さくらの両腕で締め付ける痛みに対して、耐え兼ねることができなくなった儂は更に、苦痛な声を漏らし始めた。


 う~ん、でも? このままさくらに儂は、無抵抗のままで、自身の頭を潰され死を待つことは、やはりできそうにない。


 だから儂も自身の両腕を使用して。さくらの両腕を儂の頭から離そうと抗い始めるのだが。


 さくらの奴は、そんな儂に情けのある声をかけてくれない。


 只儂に無駄な抵抗をするなと、荒々しく諫めの言葉を告げるのみなのだ。


 う~ん、それでも儂はさくらに。


「お、お父さん~。痛くて仕方がないよぉおおお~。さくらぁあああ~。頼むから許しておくれさくらぁあああ~。もう二度と父さんはさくらに逆らい抗うこともしない~。これから先永遠に~。さくらの命令に従うから、この度は殺さないでおくれぇえええ~。さくらぁあああ~」


 と、嘆願をしたのだ。


 それも儂はさくらに泣きながら殺さないでおくれと嘆願をしたのだ。


〈ガブッ~!〉


「うぎゃ、あああ~。い、痛い~! 痛いぞぉおおお~! さくらぁあああ~! 頼むからぁああ~。父さんのぉおおお~。喉元を噛み千切らないでおくれぇえええ~。さくらぁあああ~!」と。


 儂は更に娘に泣きながら絶叫を交えた嘆願をした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る