第109話 日本と異世界の違いに驚愕……。 (6)

 それも儂は幼児のように、今にも泣き出しそうな表情で、父親らしくない台詞をさくらへと告げた。


 するとさくらは、傍から見れば、未だ幼さも残る少女なのだが。やはり女性なのだと思ったよ。


 それもかなり母性本能の強い女性なのだと、儂は関心をしたのだ。


 だって娘に侮り蔑まれて落ち込み──。


 今にも年甲斐も無く泣き出しそうな儂をいきなりさくらはハグ──。


 彼女の豊満な胸で……ではない~。


 さくらの御立派なチイパイで儂の顔を包み、頭を優しく撫でながら。


「いいですか~? あなた~? わらわが他国や家臣の者と結婚をすれば、我が王家に他人の血が入るということはわかりますね~?」と。


 さくらがセリカやすみれのように、優しい声色で儂へと訊ねてきたから。


 儂は「うん」と、素直に言葉を返した。


「じゃ~、今度は、我が王家に他人の血が入ればどういったことが起きる可能性がでるか説明をしますね~。あなた~」と。


 さくらの奴は言葉を漏らしたので、儂はまた「うん」と言葉を返す。


 それも今度は、さくらのチイパイに、幼子のように頬ずりしながら言葉を返した。


 だからさくらの奴は、更に上機嫌になったのが、儂にはわかったよ。


 だって、儂の頭を撫でるさくらの手のひらから優しさと愛情がにじみでてくるのがわかる。


 それこそ? エルフの女神セリカの持つ癒しの効力と違わぬ力……。


 そう、治癒の力、『ヒール』と、死者を蘇らせる力、『リザレクション』でも、さくらにも備わっているのではないか? と、儂に思わせるほどの癒しの力……。


 だから儂はさくらの癒しの効力で、彼女の胸の中で眠り落ちそうなのだ。


 う~ん、となれば?


 これ以降の儂は、さくらの説明を聞きながら、彼女のチイパイの中に埋もれ甘えながら「うん、うん」と、言葉を漏らすばかりだ。


 こんな感じでね。


「わらわの婿となった者が、セリカお母様にアマアマと育てられたお坊ちゃん育ちのカインに代わり。この国の王になろうと野心を燃やし覇道へと討ってでる可能性があります……。そうなれば? 我が国、我が一族は割れて、身内同士で争い衰退をしていく可能性があります……。でも? わらわがあなたの妻になり子を身籠れば。わらわはあなたの命でもない限りは、弟に刃を向け覇権争いをすることはないし。自身の息子にも叔父に逆らうことをしないようにと諫めることもできます。それが貴方の父の願いだと告げ、諫めることが~。それにわらわも実の弟のカインのことが可愛くてしかたがない。あの子をここまでしっかりとした者……。次世代の王へと育てたのは、セリカお母様ではなく、わらわなのですよ~。あなた~。それこそ? あなたの次にわらわが愛おしく思っているのは、弟のカインなのですから~」と。


 さくらのチイパイに甘え堪能している儂に、いきなりこんな台詞を告げてきたのだ。


 だから儂は転寝……。桃源郷の中を嬉しそうにさ迷い続け堪能をしている気分から一気に目が覚めて──。


「な、なんじゃと~。さくら~。今何と言葉を漏らしたぁあああ~?」


 と、荒々しく言葉を吐いた。


 でッ、さくらに怒号として吐き終えると今度は。


「さ、さくら~! ま、まさかお前はぁあああ~。カインとできているのかぁあああ~?」と。


 儂はまた荒々しい声をだしてさくらへと訊ねたのだよ。


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