第108話 日本と異世界の違いに驚愕……。 (5)
「お父様~。そんなに落胆をしなくても~。わらわがお父様の妻になると言う事は。我が国がこの先乱れることになるかも知れない原因の一つを、お父様が一つ摘みとり駆除して防いだということと一緒なのですから~。あなたは~。もっと~。自身の胸を張り。凛々しく威厳を保たないといけませんよ~」と。
儂はまたさくらに諫められたのだよ。いつまでもクヨクヨしない。
この国の王らしく威風堂々とするようにとね。
う~ん、でも儂は、さくらにこんな言葉で励まされてものぉ~。
儂がこれから先に起こるかも知れない?
国の乱れる原因の一つを摘みとったのだと褒められても。儂はさくらの言っている言葉の意味が、何が何やらわかりはしない。
だから儂は、またさくらに訊ねてみることにするよ。
こんな感じでね。
「あ、あの~。さくら~?」
「ん? また何ですか、あなた~? わらわに何か尋ねたいことでもあるのですか~?」
「い、いや~。先程さくらは、儂がこの国の乱れる原因を事前に一つほど摘みとったと言ってはいたのだが。一体それってどういう意味なのだ。さくら~?」と。
儂は相変わらず自身へと迫りくるさくらの放つ威圧のオーラ──。コマンドに怯えながらズルズルと後退をしている最中──。
それも大きな獣に怯え震える子猫のようになぁ~。おじさんだけれど~。
まあ、儂のことは今取り敢えずどうでもよいことだから置いておいてと……。
それよりも雌豹のような目つきで、自身の可愛い唇を『ペロリ』と舐めながら。雄の儂を食らい。吟味しようと迫りくるさくらなのだが。儂の質問に対して。
「ん? あなたは~。そんなこともわからないのですか~?」と。
儂の質問に対して困惑をした表情と、こんな酷い台詞で言葉を返してきたのだ。
う~ん、でもさくらに、儂はこんな酷い言葉を返されてもわからないものはわからない。
だからさくらに、「いや~。父さん~。さくらに。そんな冷たい台詞を告げられてもわからないものはわからないよ……」と、気落ちをした声色で言葉を返したのだよ。
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