第107話 日本と異世界の違いに驚愕……。 (4)

 自分の重婚罪はこの世界では犯罪にならないのだと、儂も娘に対して屁理屈と棚あげをしたのだよ。


 さくらの奴が、父親である儂の口から、この世界では重婚罪が罪問われないのだと言った言葉を。儂自身の口から吐かせるのを待っているとも知らずにね。


 だから儂がこんな屁理屈をさくらに告げると。


「そうでしょう~。お父様~。お母様達複数と結婚……。この世界、この国では罪に問われません……。だから日本では犯罪かも知れませんが。この世界では、お父様とわらわが契り、子を宿しても犯罪にはなりません……。そんな法などこの世界にはないのですから~。わかりましたか~? あなた~?」と。


 さくらの奴は更に儂へと、こんな屁理屈を告げてきたのだ。


 だから儂は「えっ? うそ~?」と、さくらに告げる。


「いいえ~。うそではありませんよ~。あなた~。だから先程のあなたの、わらわにした行為に対して、ちゃんと責任をとってくださいね~。でないと? 先程もわらわがあなたに告げたとおりで~。この国の王は、自らの欲望心だけで。未だ歳もいかぬ幼い生娘を次から次へと強引に凌辱行為をしては、子を身籠らせ捨て、放置をするような、ロリコン変態王だと、ビラを撒いたり、言って回ったりして、国中に広めてやりますから~。わかりましたか~? あなた~?」と。


 儂の顔に、すみれ似の美しい顔を地被けながら迫ってくる。


 だから儂は本当にさくらが怖くてたじろぎ、ズルズルと後ずさりをすることしかできない。


 でも、儂も一応はさくらの父親だし。傍から見ている者達も知っての通りで、あれは事故だ!


 最初からさくらだと知っていれば、あんな悪戯行為を儂は娘にはするようなことはしない。


 さくらのことをすみれかセリカだと思ったから、邪な儂の手を忍ばせただけだよ。


 だからさくらの誤解で、儂は悪くはないと思う……。思うのだよ?


 う~ん、でもさくらは儂のことを許してはくれそうにはない。


 だってさくらの奴は、『ウフン~』と、母親であるすみれ似の妖艶な笑みを儂に浮かべて迫りくる。


 まあ、儂に迫りくるだけならいいのだが。直ぐに「あなた~」と甘え声色を漏らしながら抱きつき──。


「だからいいでしょ~? あなた~? わらわのために、新しい領地を用意してくださいませ~。お願いします~」


 と、告げてくる。


 う~ん、それでも儂はさくらの父親だから。ちゃんと娘を諫めて正しい方向──恋愛と言う物をちゃんと教え、正当な方向性へと導かねばならぬと思うから。


 またさくらに、「あのなぁ~?」と、声をかける。


 う~ん、でも、我が嫁は……ではなくて、我が娘は、父親の儂を許してくれそうにないのだ。


 ここまで儂がさくらに台詞を漏らすと。


「お父様~。何度わらわを説得してきてもだめですよ~。わらわはお父様以外の男性と契り結婚をする気は全くございませんから~。それに、今でこそ日本でも方で親子の恋愛、結婚は禁止かもしれませんが。太古の昔は、親子、兄弟での恋愛や結婚などはよくあることでしたから~。別に気にすることはないですよ~」


 と、これまた安易に言葉を返してくる。


 と、いうよりも。儂はさくらの話しを聞き驚愕をした。


 だからさくらに再度訊ねるのだよ。


「さくら、今の話しは本当なのか? 父と娘が結婚とか? 兄弟で結婚とか? 本当の話しなのか?」と。


 儂は自身の顔色を変えながら訊ねたのだよ。


 そんなことが昔の昔におこなわれていたのかと?


「えええ~。そうですよ~。お父様~。もしも~? わらわが嘘偽りを申していると思うのならば~? 日本に一旦戻ってスマートフォンからグルグル先生に問い合わせて訊ねてみるがいいですよ~」と。


 さくらの奴は未だ、未発達な自分自身のチイパイを突き出し──。威張りながら儂へと告げてきたのだよ。


 う~ん、もうこうなると? 儂はさくらに逆らうことなどできない。


 だから儂は気落ちをした表情で落胆しながら俯く。


 もう儂自身どうしたらよいのか? 理解ができなくなってしまったよ。


「もう~。お父様は~。そんなにも気落ちをしないでください~。何かわらわがお父様を苛めているように、傍から見えるではないですか~?」と。


 さくらの奴は儂に対して不満をあらわにしながら告げてくるのだが。不満があるのはさくらではなく儂の方だと告げたいところだが。


 実際さくらとキスをして、欲情心を湧かせたのは本当のことだから。儂は、さくらにこれ以上、諫めの言葉を告げ逆らうことはできない。


 だからさくらの要望を聞き、叶えるしかないのか?


 と、自身の心の奥底で思案をしていると。

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