第103話 日本ではない別の世界の朝……。 (9)

 だから儂は、さくらの優艶な積極的なところが恐ろしくて仕方がない。


 だって儂の御自慢の聖剣は、さくらの官能的な指先に対して、もう既にそびえ立ち快楽を求めて降伏の白旗を掲げ振っている状態──。


 また儂の今の聖剣の状態を熟知しているさくらだから尚更……。


「ウフ、フフ~」と母親であるすみれ似の優艶な笑みを、儂と聖剣へと浮かべてくるのだ。


 只今儂は、男の異性への性的欲望心と理性との狭間で抗いながら抵抗を試みているのに。


「フフフ~」と、更に儂へと妖艶に嘲笑いをしながら、自身の指先を使用して、聖剣へと大ダメージを喰らわしてくる。


 でッ、儂は、さくらの優艶な攻撃でも大ダメージを身体に受けているのに。


 今度はさくらの奴は、儂の脳内──精神へと、自身の巧みな話術で攻撃をしかけてきたのだ。


 こんな感じでのぅ~。


「それに~、お父様自身も先程、わらわの初めての接吻を荒々しく奪うだけでは懲りずに~。わらわの乳房まで、荒々しく掴み貪り堪能をしたではないですか~? お父様は、その件の責任に対してどのようにお考えですか~?」と。


 父親の儂へと荒々しく不満を告げてきたので。


「えっ?」と儂は、さくらへと言葉を返した。


「えっ? ではないですよ~。お父様~。わらわは未だ嫁入り前の生娘……。そんな初々しい生娘のわらわをお父様は、夫婦の営みをおこない。傷物にしたのだからちゃんと責任をとってくださいね~。お父様~。でないと? わらわもでるところにでて、この国の王は慈悲の心もないろくでなし者だと、声を大にして叫びますからねぇ~」と。


 父親の儂へと如何わしい行為を只今もおこなっている最中なのに。儂へと謝罪を告げるわけでもなく。逆にさくらは父親の儂へと、上から目線の口調──。


 自身の美しい顔を近づけ、迫りながら脅迫染みた言葉を告げてくるのだ。


 父親である儂に、自分の今後の余生を過ごすための責任をとれと。


 う~ん、でも?


 傍から儂等親子の会話を聞いている者達ならば分かる通りで。日本では親子は結婚をすることなどできない。


 だから儂は、わからずやの娘さくらへと今から、説明と諫めの言葉を告げようと思う。


 儂等親子は日本では結婚をできないのだと告げることにするよ。


 ◇◇◇◇◇

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