第101話 日本ではない別の世界の朝……。 (7)
「うぎゃ、あああ~!」
儂は、自分自身と唇を重ね、貪り堪能をしている者の顔を見て確認をすると絶叫──!
驚愕をする。
だって儂が目を開け──自身とキスをしている妻の顔を見て確認をするとそこには?
すみれ、セリカ……。
ではなくて?
エリカとあにゅーの姿があるわけでもない。
そこにあるのは、儂の実娘であるさくらの顔──。
それも父親である儂に対して不快感をあらわにしながら。
「もう~。お父様は~。いいところなのに~。絶叫をあげて、声を大にして叫ばないでください~! わらわはダークエルフと人とのハーフなので、大変に耳が良いので~。お父様に、そんなに声を大にして叫んでもらわれると。わらわの耳の奥の鼓膜が破れてしまいます~」と。
親である儂に対して謝罪……どころではない。
世間さまから、儂等親子は、後ろ指を指されるような行為をしたにも関わらず。
さくらの奴は儂に不快感を募らせ不満を告げてくるのだ。
恋愛の行為を中断──ムードを壊したと不満を漏らしてくる。
う~ん、でも? 傍から儂等親子の様子を凝視していた者達も知っての通りで、こんな不謹慎なことは親子の間でしてはいけない。
だから儂は娘のさくらに、ファザコン娘なのは別に構わないのだが。こんな世間にさまに後ろ指を指されるような行為はしていけないと諫めの言葉を告げようと思うから、自身の口を開いたよ。
こんな感じでね。
「さくら~! 昨日もお前を諫めたが、父親である儂に、こんな恋愛みたいな行為をしてはいかん! 儂とさくらは実の親子なのだから!」と。
儂はさくらに諫めの言葉を告げたのだよ。
でッ、その後直ぐに儂はまたさくらに、「父さん……。さくらがこんな破廉恥な行為をしてくるから悲しいぞ……」と、気落ち……。落胆した声でさくらに、親子でこんな恋愛みたいな関係になるのは悲しいと告げる。
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