第97話 日本ではない別の世界の朝……。 (3)

 まあ、甘え声色で、夫の儂に起きるようにと急かすだけならば。この部屋の窓の外で鳴く鳥のさえずりのようだと儂が脳裏で思ったことは、嘘偽りになる。


 実際儂の妻達の中でも、セリカとすみれの二人は。ことあるごとにこんな感じで甘え声色で、夫の儂へと囁き話かけてくるから、異性を呼び誘う、鳥のさえずりと言えば、嘘偽りになるのだが。


 二人のどちらかは知らぬが?


 儂の床に添い寝をしながらさえずりしてくる者は。儂の背から吐息を「あん、あぁ~」と漏らしながら、耳を甘噛みしてくるは、首に自身の艶やかで柔らかい唇を当て這わすのだよ。


 まあ、儂は、それだけでも、狸寝入りが後ろの妻にばれそうなぐらいの。「うっ、はぁ~」と、吐息を漏らす。


 それも先程儂が漏らした嬌声よりも段々荒々しい物へと変わっていくのだ。


 だって、儂の後ろから甘える妻は。儂の耳に甘噛みや首筋──背にキスをするだけでは済まなくなってきているから。


 儂が荒々しく優艶な吐息を漏らせば、漏らすほど。


 後ろの妻は儂の腹部の下にある大事な宝物を。妻自身のしなやかな指先で荒々しく貪るように触れながら握ってくるのだよ。


 だから儂は耐え忍べなくなり。自身の口から、優艶な吐息と嬌声を漏らしたと言うわけだ。


 ついでに自身の身体もクネクネと優艶に動かしながらだよ。


 まあ、そんな儂の様子を後ろから見ている妻は、「ウフ、フフフ~」嬉しそうに耳元で微笑をしてくるのだ。

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