　それもケインの奴は何故だかわからないのだが？　飽きれ返った声色で、母親であるセリカへと言葉を返してきたのだよ。

「あっ！　いた～！　ケイン君～！　ママは探していたのよ～。パパにまたママは捨てられたから～」と。

　これまたセリカの奴は意味不明な言葉を漏らすのだよ。

　だから儂はセリカへと、言葉をかけようと思うのだよ。

『セリカ～！　儂がいつお前のことを捨てたのだ～』と。

　そしてまた直ぐに『セリカ～！　お前はいい加減にしろ～！　お前が今告げた台詞を他人が聞いたら、夫の儂は何者だ！　そして酷い奴だと思わるだろうに～？　それに子供達だって以前のことがあるから、また儂がいなくなるのでは？　と、勘違いをするではないか？』と。子供にくだらない言葉を漏らすセリカの奴に、儂は不満を告げてやろうと思う。