　もう本当に、それこそ？

　おじさんの儂の脳内をトロトロに溶かす程の魔力と魅力がある声色……。

　まさに雄を魅了し誘う声色の囁きだから、儂の先程からの様子を傍から見れば分かる通りで。年上の夫である筈の儂が、先程からセリカの奴にいいようにあしらわれている状態……。

　だから儂は先程からセリカの放つ意味不明な言葉も、何度も直ぐに許すことになっているのだよ。

　う～ん、でも流石に、この度のセリカの挙動不審というか？　意味不明なアニメ声色での台詞にも、儂は惑わされることをしないように心掛けた。

　だから儂は、直ぐに自身の頭を軽く振り我に返ると。

「セリカは、あにゅーよりも早くこちらの世界にきて儂に甘えていたのだから。今はあにゅーに変わってやれ。わかったな、セリカ？」と。

　儂は妻のセリカに告げたのだよ。決してセリカに怒号を放つわけではなく。儂は優しい声色で諫めの言葉をつげたのだ。

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