第54話 異世界からの電話? (15)

 ……ん? 儂の子? それって一体何?


 儂の脳内は直ぐにこんな感じで困惑……パニック状態に陥りそうだ。


 と、いうか? これでセリカちゃんがおじさんの儂を誘惑して騙そうと『オレオレ詐欺』では無く。『パパ、パパ、詐欺』を実行しようとしていることが明るみになった。


 だって儂には、先程別れた妻以外に子供などいないから。セリカちゃんが今儂にスマートフォン越しから話してきた。儂への不満は全部嘘だということがわかった。


 だから儂は『ホッ』と、胸を撫でおろす。


「(あああ~、パパ~。酷い~。自分がセリカにウムも言わせず、強引に種つけをした癖に、ケインの事を知らないなんていうのだから。本当に酷いよ。パパは……)」


 う~ん、何かしらよくわからんが?


 セリカちゃんは儂にうそをついている癖に。こんな不満を告げてくるだけ告げて。とうとう、スマートフォンの向こう側で泣き始めた。


 う~ん、何故、儂に嘘偽りをしているセリカちゃんが泣くのか儂には理解ができん……。


 だって彼女が泣き崩れるよりも。本当に泣きたいのは、先程家族に捨てられた儂自身だからね。


 それとセリカちゃんは、スマートフォンの向こう側で泣くのは構わんが。スマートフォンの回線を切ってからにしてもらいたい。


 ……でないと? おじさんはやはり若い娘さんの泣き声は聞きたくはない……。ついついと同情心が湧いてしまうから。


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