第50話 異世界からの電話? (11)

 儂がスマートフォンの向こう側にいるセリカちゃんに猜疑心を募らせ不快な思いでいると、また彼女はこんな意味不明な言葉を告げてきた。

 儂の心の中がわかるかのように。


 だから儂は可愛いアニメ声を漏らすセリカちゃん訊ねることにしたよ。こんな感じでね。


「あのね~? セリカちゃん~? 君は儂を騙してお金を奪おうとしている女性詐欺しでしょう?」


 儂は余り悩み困惑し、挙動不審な行動を車内でとるよりも。威風堂々とした凛と男らしい様子でいることに決めた。


 その方がスマートフォンの向こう側にいるセリカちゃんと、この車の周りに散り、身を隠し。外から車内を覗き込んでは、俺の様子を随時セリカちゃんへと報告をしている詐欺師のメンバー達に、その方がプレッシャーを与えることが可能では? と、思うから。


 儂は威風堂々とした様子と物言いでセリカちゃんへと告げた。


「(はぁ~、何~? それ~。パパ~?)」


 儂が彼女へと告げた言葉が気にいらなかったのか?


 セリカちゃんは重くて低い声色で儂に訊ねてきた。


「ほら~、セリカちゃん~。儂の話しを聞いて急に声色が変化したけれど。やはり図星だったか~、セリカちゃん? 年寄りの儂から金を騙しとるつもりだったようだね~? 儂はもう少しでセリカちゃんの甘いアニメ声色に騙され貢ぐだけ貢がされるところじゃったぁ~。危ない~、危ない~」


 まあ、こんな感じで儂は、女詐欺師であるセリカちゃんを愚弄した物言いで台詞を告げた。


 これならセリカちゃん率いるオレオレ詐欺も儂のことを安易に騙せない、やり手のおじさんだと思うこと間違いない。


 まあ、先程迄の気落ち、困惑をした状態でいた儂のままだったら、あのままセリカちゃんのこんな可愛いアニメ声で囁かれ。


「(パパ~、セリカと逢って~、お話しをしましょう~。ねぇ~、いいでしょう~、パパ~? あっ? でもその前にパパには~、ATMへと寄って~。現金三百万円をキャッシングしておろしてくれるかな~? パパは良い子ちゃんだから~。いいでしょう~?)」


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