第37話 儂は家族に捨てられちゃった (3)

 う~ん、でも、家族なのだから、できれば仲良くしたいのだよ。


 特に今後の儂の余生を考えると女房とは長くはない人生だと思うから、できるだけ揉め事もなく、残りの余生を二人で仲良く暮らしていきたいと思う。


 だから儂自身もこれで我慢をして、我が家に帰ろうと思うから。


「はい、もしもし、儂だが。どうかしたのか~?」


 まあ、こんな感じで平素を装って、スマートフォンから電話に出たのだよ。


 先程まで儂自身、鼻水を垂らしながら『エンエンエン……』と泣いていた癖に。


「(ああ、あんた~? うちね、もう我慢もできないし。あんたとの結婚生活にも疲れた……。だから悪いのだけれど、あんたとはもう別れるからね……。離婚届の方は、こちらで書いて印鑑を押して提出しておくから、それでいいよね、あんた~?)」


 ど、どうしよう? わ、儂の予想外の台詞が、家の女房から放たれたよ。


 だから儂は、最初は「えっ?」と、声を漏らし。その後儂は呆然としながら、「ああ……」と、言葉を漏らした。


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