第38話 儂は家族に捨てられちゃった (4)
「(えっ? じゃないよ、あんた。ちゃんと人の話しを聞いている~? あんた~、うちが言っている意味がわからない? とか、言わないでよ~。お願いだから~)」
家の女房……と言うか? 前の妻は、気落ちをしている儂とは違って。これといった気にした素振りもみせずに、明るい声色で告げてきたのだが。先程離婚勧告を告げられた儂は、相変わらず気落ちをして呆然としているから。「……えっ? あっ、うん……」としか、言葉を漏らすことしかできないのに。
儂の元妻は相変わらず明るい声色で。
「(まあ、そういう事だから上村さん~。これからはお互いが、第二の人生を謳歌して楽しもうじゃないか~? まあ、そう言う事だから、スマートフォンを切るね……。では、上村君~、さようなら……)」
と、儂に言葉を告げ終えると。
まあ、こんな感じで、元妻のスマートフォンの会話が確実に切れると。
〈プチ……。ププププププ……〉
と、儂の耳に当てているスマートフォンから、悲しい音が聞こえてきた。
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