第31話 儂は家族に憤怒して家を飛び出した (2)
でもね、家の女房は、夫の儂に対してこのような愛情のかけらもないような言葉を平気でつげてきたのだよ。
儂が書いた作品は面白くないから読むに値しないと。一度も目を通したことすらない筈なのに、何でわかるのだろうか?
う~ん、もしかすると? 儂に学がないからか……。
まあ、日頃から彼女は、儂は日本語を全く理解していないと嘲笑っていたからね。日本誤を理解していない無学な儂が書いた物語など読むに値しないのかも知れない?
まあ、その後もね、儂は彼女が吐く悪態に耐え忍びながらも、御機嫌伺いをして様子を見ながら、儂が書いた小説を読んで欲しいと嘆願をした。でもね、儂自身が今も愚痴を漏らしているように。
家の女房の奴は、「嫌だと言ったら! 嫌だから! 早く、うちの目の前からどいて、ほら──」と。今度は怒号を吐きながら、目の前にいる儂のことを、『ドーン!』と、突き飛ばし──。そして押しのけてね、この場を去ろうとしたのだよ。
でもね、儂自身もここまで酷い悪態行為を受ければ、冷静ではいられない。
と、なると? 正に売り言葉に買い言葉……。と、言うことで。
「お前なぁ~、いい加減にしろ──。一体誰を突き飛ばしたと思っている? 儂はお前の夫で、この家の主だぞ──!」
と、家の女房に負けぬぐらいの怒号を放ってやった。
でッ、その後も直ぐに、「儂の書いた話しに、一度も目を通したこともない奴に何がわかるというのだ?」とも、告げてやったよ。儂自身も大変に不快な思いをしているからね。と、思っていたら。
「はぁあああっ! 何でうちが、あんたの訳分からない妄想話しを読まないといけない訳? 若い女ばかり次から次へと出場させて、ハーレム気分でいるみたいだけれど。そんなにも若い女性ばかりいるハーレムな生活がしたいなら、とっとと、この家から出ていけばいいでしょ。今直ぐに……。そら~、早く、早く~。この家から出て行けばいいでしょう……」
と、今度は儂の背を両手で押しながら、リビングから追い出そうとする。
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