第28話 昭和終わり世代の、貧乏人で坊ちゃん育ちの上、趣味多彩だった儂…… (24)

 まあ、儂自身も既におじさんだから、少々の事を言われても気にはしないが。この出来事だけは、夢に向かって邁進している儂の純粋な心が折れてしまった悲しい出来事……。本当に自分自信が、悲しくて仕方がないくらいに……。


 だって、今迄儂が頑張ってきた創作活動なのだが、家の家族には完全否定をされたのだよ。儂みたいな男が、小説を書くだけ無駄だとね。


 儂は家族のその言葉を聞き、自分自身の心の中が傷ついた。だから儂は思わず家を飛び出し、声を大にして叫んだ。


「うぉおおおっ! 死んでやる──! 死んでやる──! 死んでやる──! あいつら、本当にふざけるなぁあああっ! あんなやつらが住んでいる家など、二度と帰るかぁあああっ! 儂は絶対にあいつらの事を許しはしないから、本当に覚えておけよぉおおおっ!」


 まあ、儂はとにかくこんな感じの怒号を放ちながら、家の玄関の扉を開け、叫びながら愛車へと向かった。御近所の目など気にせずに。


 でッ、儂の愛車である営業車仕様の、愛車デリカの四輪駆動車に乗り込みエンジンをかけ起動をすると。儂は目的も無く只泣きながら車を走らせたのだよ。とにかく少しでも家や家族から離れて、『遠くぇ~、遠くぇ~』と、言った感じで、儂は愛車のデリカを走らせた。


 でも儂は、ふと、ある事に気が付いたのだ。取り敢えずは、自分自身の愛車でもある営業仕様のデリカを何処かに駐車して停めないと、儂自身が泣くに泣けない。それに燃料代の方も勿体ない。


 儂は今家を飛び出したと言う事は、これからは一人で生きていかねばならないと言うことなのだよ。


 だから余り無駄遣いをする事が不可能な訳で……。


 と、言う事だから。儂は何処かに一度、我が愛車のデリカを駐車する必要があると悟った。


 う~ん、何処か良い場所はないかと、車を運転しながら儂は思案をしたのだよ。

 すると、ふと儂は、ある場所を思い出した。


 我が家からは、少し離れてはいるが、オープンしたばかりのショッピングモールがあることを思い出したのだよ。


 でッ、そのショッピングモールはね、儂が今告げた通りで、オープンしたばかりの店舗だから、駐車場のスペースも十分に広く。儂の愛車のような営業仕様のワゴン車が駐車をしても、隣との間幅が広く取っているから、駐車するのに楽な上に、今日は平日日だから、お客も少ないと思うので、尚更我が愛車のデリカを停める場所も十分にあると思う。


 と、なると? 後は、とにかく我が愛車のデリカを、儂はショッピングモールへと走らせれば良いだけだから。


 いざ、ショッピングモールへと向けて、進路変更──。


「よぉ~し、行くぞ!」と、儂は独り言を吐きながら、『ブイブイ』と車を走らせたのだよ。


「クソ! クソ! クソ! 本当にムカつく……」と、儂は更に荒々しい言葉を吐きながら。


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