第8話 昭和終わり世代の、貧乏人で坊ちゃん育ちの上、趣味多彩だった儂…… (4)

 まあ、少しばかり話しが逸れてしまったが、そんな容姿の儂だからとにかく目立った。先程も儂が述べたが、特にあの昭和の終わりが近づく頃の時代のヤンキーは、本当に良く女子高生や女子中学生にはモテタものだよ。流行りでもあったからね。


 でッ、その後、儂自身も中学二年の頃には、ふと気がつけば。自分の頭の髪色の方も金髪だったから、年上、同級、年下の女子達には大変にモテにモテタ。それも同校、他校と関係無くモテタものだ。


 まあ、そんな容姿の儂だから、廊下を歩けば、『キャ! キャ! キャ!』と、辺りから女子達の黄色い声が飛んでくるぐらいだった。う~ん、儂はその頃、他にも凝った物がある。


 う~ん、それはね? とにかくならず者だった儂は、他校に遊びに行くのにもかなり凝った。先輩達やツレ等と、道路一杯に横に連なって遊びに行った。自分達が乗っている自転車のハンドルをU字型になるように曲げ絞ったに跨り──。両足で漕ぎながら気軽に、それもドライブ気分で遊びにいったものだよ。


 すると他校のヤンキー達も、儂等と仲良く友達になりたくて仕方がないみたいでね。わざわざ自分達が通う中学校の校門迄、出迎えにきてくれたものだよ。


 でッ、お出迎えがなければ、他校の校門の前から「わりゃああああああっ! 二中のモンは、早やく出てこいやぁああああああっ!」と、声を大にして怒号を出し、荒々しく叫んだ事も多々ある。


 まあ、とにかくあの頃の儂はならず者だったから、他校に挨拶がてらに遊びに行く事が大変にスリルもあって、肝試しみたいな感覚で楽しくて仕方がないからね、こまめに他校に通ったものだよ。


 それに先程も少しばかり触れたが、この頃の時代の繁華街のゲームセンター等も、他校のヤンキーと鉢合わせをする事が多々あるから。他校に遊びに行くのと同じ感覚で、スリル感を味わう為に、やたらと儂らは、連れ達と折りたたみ式の三段式警棒を護身用に所持しながら。そちらの方にも通った気がする。だから儂の顔はいつも痣や腫れが絶えることがなかったよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る