第6話映像

割れた食器。

なんでだろう、少し気持ちが落ち着いた気がする。なんで割れてるの?とかそういう考えは全然なくて何か自然だった。


「危険物の日に捨てよ…」


私は食器の破片を摘んで袋に集めた。


最近よく食器割れるなぁなんて思っていたら、不意に感じた。


「あれ?…何で割れてるの?」


割れている事が普通になるくらい最近(入院前から)食器が割れている。やっと正気に戻った感じ。

そういえばあの夢を見る前から多々割れていた。


ズキッ…


頭が激しく痛んだ。

と同時に頭に映像が浮かんだ。


バリンッ


想像してなかった事が映像では起きていた。

驚きと恐怖が混ざって食器棚を殴った。

割れたグラスの破片を掴み

私は私の太ももを思いっきり殴った。


グサ


透明なグラスの破片が自分の血で赤く染った。

痛みも何もその時は感じなかった。

ただただ恐怖だけを感じていた。


部屋着を着ていた為、ショートパンツに白いTシャツだった。素肌に血が溢れ床に流れた。衣類の汚れは飛び散った血くらいだった。

太ももから流れる血よりも服があまり汚れなくて良かったと考えている私がいた。



私は私が怖くなった。

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