第5話破片
いつまで入院するのよ
警察はもう私の精神状態のせいにしようとしているようにしか思えない。跡は残るけど痛みはもうない。ここに居たってしょうがない。
自分で答えを探す…
「長い事ご迷惑おかけしました。」
退院した翌日もう私は職場に来ていた。
でも浅井はいない。
「警察の方が何回も捜査しに来ていたよ。」
上司は困ったような顔で、でも少し安堵した様子だった。
「ご心配おかけしました」
私はこの後どうこの問題を解決しようか考えていた。
その日の夜、非通知着信があった。
知らない、分からないものは出たくはないけど
その日はすぐ電話に出た。
「…もしもし」
「キミはまだ自分の事が分かってないねぇ」
クククと笑いあの爪を噛む音がした。
「浅井…っ、アンタ!何者なのよ!」
声を聞いた途端、怒りがこみ上げつい声量が大きくなる。
「ククッ。本当にキミは分かってないんだ」
そう言って通話が切れた。
「クソっ!」
私は力いっぱい携帯をベッドに投げた。
寝具を変えていない為、タオルを敷いてそのベッドを使った。
明日新しい掛け布団と全部のシーツを買いに行こう。
そんな事考えていたら激しい頭痛に襲われた。
薬を飲もうと水を取りに行った時、食器棚の食器が複数割れていた。でもそれを見た時、何故か不思議には思わなかった。
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