5#女王様の召使い
やがてハクチョウのメグのいる湖に、マガモのマガークやガチョウのブンが迷い混んできた。
「ハクチョウさん。」
「『ハクチョウ』じゃありません!『女王様』とおす、はい!女王様!!」
「貴方は飛べないのですか?」
まだ、若鳥だったマガモのマガークは、ハクチョウのメグに聞いてみた。
「ギクッ!!」
メグの顔は青ざめた。
「マガーク、それはね。あたいは事故で飛べなくなったの。ほうら、翼がこんなに・・・」
メグは、大きな翼をばたつかせた。
ばさばさば
ぷぅーーーーーーーーーーっ!!
と、ひと吹きで割れた筈の風船がはち切れる程にパンパンに膨らんだ。
「はいっ!パンパンの風船!」
マガモのマガークはがショックで硬直する中、ハクチョウのメグは舌で吹き口を結わえた風船を、アヒルのピッピに手渡した。
「ありがと!じゃあ、今度こそ飛べるようになってね!」
アヒルのピッピは、ハクチョウのメグの吐息の詰まった風船を嘴にくわえて、尾羽を可愛く振って湖を去っていった。
「ばいばーい!アヒルちゃん!」
翼でバイバイと振っているハクチョウのメグの後ろで、マガモのマガークは下げづんで言った。
「女王様!!お見それしました!今度から貴女を『女王様』とお呼びしますっ!」
6羽のハクチョウやタンチョウ、フラミンゴを迎え入れた数日後、事件が起きた。
あれ?何ともないじゃん!」
マガモのマガークは、怪訝な顔でハクチョウのメグを見た。
「それと、これが問題。」
メグは、マガークが嘴いっぱいに大量にひろってきたという、落着風船から一つゴムがかなり劣化して穴だらけの風船を持ってきて、嘴に含んだ。
くちゃ。くちゃ。くちゃ。くちゃ。
ぷぅーーーーーーーーーーっ!!
ぷぅーーーーーーーーーーっ!!
ぷぅーーーーーーーー・・・
ぱぁーん!!
「ぎゃあああああああああああ!!」
側で羽繕いしていたガチョウのブンは、ビックリ仰天して大声を出して森の中へ消えてしまった。
ガチョウのブンが、風船が割れる音を極端に嫌がるようになった瞬間だった。
「と、いう訳なの。あたいは、この湖の精霊に魔法をかけられて、風船を再生させたり、風船を飛ばせたりするようになったの。」
「本当っすか?」
マガークは首を傾げた。
するとそこに・・・
「ハクチョウさん!空飛べるようになった?」
「あら。あの時のアヒル・・・!」
ハクチョウのメグは気まずくなった。
「そ、それはね。ハクチョウさんは魔法を・・・」
そこに、マガモのマガークが嘴を挟んできたとこに、慌ててメグはマガークの嘴を抑えてきた。
「な、なんでもないのよ!こらっ!マガモ!黙らっしゃい!」
「あっ!可愛いアヒルさん・・・」
戻ってきたガチョウのブンは、目を細めて呟いた。
「アヒルさん!始めまして!!俺は・・・」
ぱぁーん!!
「ぎゃあああああああ!!」
マガモのマガークは、嘴で膨らませた風船をガチョウのブンの目の前で鰭脚の爪で突っついてパンクさせた。
「ぎゃああああああ!!風船怖ぁーい!!」
「??」
「大丈夫?アヒルさん。全く、少しだけしか膨らませてない風船もこれかよ。臆病だなあ、あのガチョウは。」
「ねえねえ!マガモさん!」「なあに?」
「その、割れた風船貸して!!」
「何に使うの?」
マガモはアヒルに割れた風船を渡した。
ぶぶぶぶぶ・・・
「駄目だよ!どんなに吹いてもこの風船破けてるんだから。」
「分かってるわ。ねえ、ハクチョウさん!」
「なあに?」
「この風船膨らませて!!」
「いいよん。」「えええ?」
マガモのマガークは、訳がわからなくなった。
「アヒルさん。どのくらい?」
「でっかく!」
「でっかくね!よーし!」
ハクチョウのメグは、割れた風船を嘴でくちゃくちゃと含むと、
ぷぅーーーーーーーーーーっ!!
と、ひと吹きで割れた筈の風船がはち切れる程にパンパンに膨らんだ。
「はいっ!パンパンの風船!」
マガモのマガークはがショックで硬直する中、ハクチョウのメグは舌で吹き口を結わえた風船を、アヒルのピッピに手渡した。
「ありがと!じゃあ、今度こそ飛べるようになってね!」
アヒルのピッピは、ハクチョウのメグの吐息の詰まった風船を嘴にくわえて、尾羽を可愛く振って湖を去っていった。
「ばいばーい!アヒルちゃん!」
翼でバイバイと振っているハクチョウのメグの後ろで、マガモのマガークは下げづんで言った。
「女王様!!お見それしました!今度から貴女を『女王様』とお呼びしますっ!」
6羽のハクチョウやタンチョウ、フラミンゴを迎え入れた数日後、事件が起きた。
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