6#ガチョウはアヒルと一緒に空を飛んだ。

 ・・・・・・




 ・・・ここは、どこだ・・・?




 ・・・一面の大空・・・?




 ・・・僕、宙に浮いてる・・・?




 ばさっ・・・ばさっ・・・



 ・・・あれぇ・・・?



 ・・・僕、翼羽ばたかせてる・・・?




 ・・・飛んでる・・・


 ・・・僕、飛んでるよ・・・!!




 ガチョウのブンは翼を大きく拡げ、雲ひとつ無い無限に拡がる大空の中、力強く羽ばたいていた。




 「ガチョウさーん!」




 ガチョウのブンの後ろから、アヒルのピッピが翼を拡げて風にのって飛んできた。




 「あんた、まるでガンみたいね。」


 「君だって、カモみたいだよ。」




 ガチョウとアヒルは寄り添って、一緒に縦横無尽にランデブー飛行を思いっきり楽しんだ。




 翼で風をきる。


 尾羽でバランスを取る。


 上昇気流を掴む。





 「空は気持ちいいね!」


 「うん!」




 2羽は寄り添って、思う存分空中散歩を楽しんだ。




 ばさっ・・・ばさっ・・・




 ・・・・・・




 「???」




 ・・・あれ・・・?




 ・・・僕らガチョウって、飛べたっけ・・・?




 ・・・ついでに、アヒルも飛べたっけ・・・?




 ・・・はて・・・?




 ・・・ちょっと待てよ・・・?




 ・・・何で死んだ筈のアヒルのピッピが、『ここ』に生きてるんだ・・・?




 ・・・と言うことは、僕もまた・・・?




 ・・・ええええ・・・???




 ・・・ま、まだやりたいこといっぱいあるのに、僕も・・・???




 ・・・うわあ・・・!




 「ガチョウさん!何空中で頭かかえてるん?」


 「あっ!アヒルさ・・・」




 ばさばさばさばさばさばさばさばさ!!




 「キャーーーー!!どいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてどいてぇーー!!」




 「?!」




 ボカーーーーーッ!!




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