13. 長き夜の前に
『……ああ、ああ、そうか。わかった。そのまま見ておいてくれ。あいつのことだから、また「事後報告」にでもするつもりじゃろうから、な』
頷くように、小鳥は一息さえずってから、また、空へと降りる。
――ここは地上界の上にある「天命界」だ。つまり、ここは「空」のさらに上にある場所。
「彼」には、半竜の考えなんて簡単にわかる。
それはこれまでの付き合いの長さ。そして、生きている「時」の差、その二つがあるからだ。
ふぅ、と息を吐いてから。
『まさか、「老涙竜フィネル」の終いを、こんな形で知ることになるとは、な』
風の噂で、その存在の話は届いていた。
「涙巫女」と呼ばれる者の存在までは、さすがに初耳ではあるが。
――それは、長き夜の、ほんの手前のこと。
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