chapter07 ビジネス電話 4つの心得~迅速~
自宅にて…
「スピーカーの状態になっているのよね?」
「もちろん!それじゃ、かけるよ…」
”プルルル…プルルル…プルルル…”
”プルルル…プルルル…”
”プルルル…”
「ほんとに、なかなか出ないのね…」
「ほら!私の言った通りでしょ!?」
「ビジネス電話は、1回の呼び出し音以内に出るのが基本なのに…」
***
ビジネスの場面において「お客様を待たせない」のは鉄則だと言えます。そのため、ほとんどの会社では、電話は1回の呼び出し音(1コール)以内に出るよう心掛けているのです。
***
『はい。通販ショップ○○です』
『会員番号×××××の嶋尻と言いますが、商品の注文をしたいんですけど…』
『少々お待ち下さい…』
30秒経過…
2分経過…
「随分と待たせるのね…「少々」って言ってた癖に…それに、5コール以上待たせておいて、最初に何のあいさつも無いなんて…」
「そうなんだ…繋がるまでに10コール位は当たり前だし、今日は早い位だよ…で、「待て」言われてから、私も最大で5分待ったことあるし…」
「待たせる時間が30秒以上の時は、途中で電話に出てフォローするのが原則なのに…」
***
まず、1コール以内に電話に出れなかった場合…
・2~5コール位の場合は、最初に「お待たせ致しました」と言って、あいさつする。
・5コール以上かかってしまった場合は、最初に「大変お待たせ致しました」と言って、丁寧に詫びる。
のが原則です。
また、保留をかけてお客様を待たせる場合…
「少々お待ち下さい」
と言って、一息ついてから保留を押しますが、ここで言う「少々」とは、基本的には「30秒以内」と考え、待たせる時間が30秒を超えそうな場合は、途中で電話に出て…
「申し訳ございません。○○(理由の説明)なので、もう少々お待ちくださいませんでしょうか?」
「申し訳ございません。○○なので、再度こちらからお電話差し上げたいと思いますが、いかがでしょうか?」
などの対応が必要です。
***
『お待たせしました。担当が席を外していますので、××部門に転送します。お待ち下さい』
『××部門です…』
『商品の注文をしたいんですけど…』
『あれっ!?おかしいな…ここじゃ、商品注文なんて受け付けていないのに…すいませんねぇ。もう1回担当部署に転送しますので、このままお待ち下さい…』
「え゛え゛!!散々待たされた挙句「たらい回し」に遭うなんて…」
「これもよくあるんだ…」
「いやいや…ビジネス電話で「たらい回し」は絶対やっちゃいけないことなの…間違いなく、相手は「不快になること」この上ないから」
***
ビジネス電話において、相手が最も不快になるのは「たらい回し」です。
そういう事態にならないよう、相手の用件に応じた部署や担当者にすぐ取り次げるよう、社内知識についても十分に精通しておく必要があるのです。
***
『はいはい、こちら修繕部門ですが…』
『…もういいです…』
”ガチャン”
「…通販の利用先、変えた方がいいわね…」
「…ですよねぇ~…」
…
chapter8 に続く…
~模擬問題にチャレンジ!~
新人の坂場友莉佳は先輩から「ビジネスの場面においては、お客様を待たせないのが鉄則」と教えられたが、実際は電話でお客様を待たせてしまうことが多い。そこで坂場は、電話でお客様を待たせない工夫や、万が一待たせる場合にお客様に不快な思いをさせないためにはどうすれば良いか、次の通り考えた。中から『不適当』と思われるものを1つ選びなさい。
(剣世炸作問オリジナル問題(ビジネス電話実務検定知識B級相当))
「1.電話のコールが鳴ったら、すぐに受話器を取れるよう、常に意識していた方が良いかも知れない。」
「2.電話にすぐ出れなかった場合は、それが長い時間でなかったとしても「大変お待たせ致しました」と言った方が良いかも知れない。」
「3.取り次ぎ等で保留をかけ、あらかじめ1分以上待たせそうな用件だった場合、長く待ってもらうのが分かっているのだから、「少々」という言葉を省き「お待ち下さい」と言った方が良いかも知れない。」
「4.電話の相手が最も不快になるのが「たらい回し」なのだから、内線一覧を作成して常に電話のそばに置いて、電話がたらい回しにならないようにした方が良いかも知れない。」
「不適当」な選択肢は…
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「3.取り次ぎ等で保留をかけ、あらかじめ1分以上待たせそうな用件だった場合、長く待ってもらうのが分かっているのだから、「少々」という言葉を省き「お待ち下さい」と言った方が良いかも知れない。」
~解説~
確かに「少々」の目安は30秒以内ですから、1分以上待たせる場合に「少々」は使えません。ですが、だからといって「少々」を省いて「お待ちください」と言い、お客様を電話口で待たせるのは考え物です。この場合、取り次ぎ先がすぐに電話に出れない理由を申し上げた上で、担当者から電話させる旨伝達し、了承を得るのがお客様に不快感を与えない電話応対であると言えるでしょう。
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