chapter04 基本的な敬語~改まった言い方~

 部活の遠征試合先のホテルにて…


「はい。ホテル○○受付の××で


「どのようなでしょうか?」


「はい…はい…。……いえ、そういったことは…」


「……あいにく、…はい……


「お電話ありがとうございました。失礼いたします」




「…電話、終わったみたいだな…」


「ですね。それにしても、使ったことのない言葉ばっかりだったなぁ…」


「まぁ、確かに私たち高校生は使うことのほとんどない言葉だったけど、使だって、この前、足達先生が授業で言ってたわよ!!」


「そうなんだ…」



***



 真琴さんが言っていたように、ホテルの受付の女性が電話で話していた言い回しは、ビジネスの場面で使われる「改まった言い方」で、ビジネス電話のみならず、お客さまとの対面での応対にも求められるものです。


 ホテルの受付が話していた言い回しを改まらない(普段使い)の言葉に言い換えると…


ご用向き(ご用件) → 何の用

さようでございます → そうです

いたしかねます   → できません

席を外す      → 今席にいない

かしこまりました  → 分かりました

申し伝えます    → 言っておきます


となります。



 先述以外にも…


どちらさまですか → 誰ですか

どうですか    → いかがですか

来てください   → おいで下さい

知っていますか  → ご存じでしょうか

持っていきます  → お届けいたします

ありません(ない)→ ございません



などがあり、ビジネスシーンで使われる改まった表現方法は、尊敬語・謙譲語・丁寧語と並び、覚えておかなければならない敬語表現であると言えます。



***



「お待たせ致しました。当ホテルにどのようなご用でしょうか?」


「俺たちのことも、高校生じゃなくて、お客さまとして扱ってくれてるんだな♪」


「やっぱり、若林先生のチョイスにはいつも感服します♪」


「さようでございますね♪」



chapter5 に続く



~検定問題にチャレンジ!~



 早坂みき子が電話を取ると取引先から山口係長あてだった。係長は今席にいない。このような場合早坂は、係長の不在をどのように言うのがよいか。次の中から「」と思われるものを1つ選びなさい。

(第18回ビジネス電話実務検定知識B級より)



「1.残念ながら山口は席におりません」



「2.あいにく山口は席を外しております」



「3.失礼ですが山口は席を立っております」



「4.せっかくですが山口は在席しておりません」



「適当」(正しい言い回しをしている)選択肢は…































「2.あいにく山口は席を外しております」



~解説~



 係長に用があるのでしょうが、すぐには話ができない状況です。このような場合、相手を思いやる「あいにく」という言葉を添え、席にいないこと婉曲(えんきょく。露骨でない、遠回しな言い方)に表現した「席を外しております」と言うのが正解です。直接的な言い方より柔らかく、ビジネス電話でよく使われる表現方法です。

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