第10話 セーラー服と☆陰陽師 800字あらすじ版

 学園公認陰陽師の九頭竜綾姫の仕事は高校の校庭に九頭の龍を封印することだ。順調に行っていたそれを横取りしようとする少年が現れるまでは。台継うてなという少年は弓を使い、式神を使い、式神の式神も使い、折々邪魔をしてくる。一度は負けかけたが綾姫の自己愛の顕現である蒼、自己保身の顕現である銀、自己管理の顕現である朱、そして幼馴染三人娘のお陰でどうにか龍を集める事には成功する。そして完全に綾姫の式神になった九龍に返り討ちにされた台継は命を落とす。その亡骸を学校の地下水脈に落とす蒼。しかしそれは彼が、水で浄化された蒼の式になる事と同義だった。

 九龍を横取りに学校に来る連中が増えると、綾姫も無傷ではいられなくなってくる。そんな折に護摩を焚いた部屋で銀と綾姫のキスシーンを見てしまう蒼。あれは何だと思うと、呪力の供給だと教えられる。なんとも言えない心地で戦っていくと、今度は蒼が負傷し、その呪力供給のために綾姫にキスされる。君が傷付けば良い、と式になった台継に言われてはいたが、こういう事か。しかしこれでは事務的なので、夜中に綾姫の部屋に訪れ、ちゅっと小さなキスをしてみる蒼。真っ赤になった綾姫はしかし、次の朝にはケロッとしていた。そんなことが出来るのは綾姫という式神の主である皇児しかいない。君の自己愛は有害だと言われ、凹む蒼。

 そんな折に八岐大蛇を学校結界に持ち込む法師が現れる。なんとか封印には成功したが、綾姫が深く負傷する。銀に呪力供給を頼む蒼。体液を交わせば一緒に生きてはいられなくなるかもしれない。同等の物になるのだから。しかしそれは式の式から式になるだけだと、はたと気付く。

 激しく後悔しながらも、三人娘や皇児にからかわれつつ、今日も学校結界を守る。何せ彼の主は、学園公認なのだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る