第5話 手を取りあって:800文字あらすじ編

 自殺した教師に『人殺し』と呼ばれて以来周りの声が怖くてヘッドホンを付ける西園にしぞの慧天えでんと、その通訳の本条ほんじょう静紅しずくは中学二年生。ある夏の日、二人は校長室で目を突かれて死んでいる校長を見つける。警察が来るが、慧天達は追い出される。その際出会った担任の保志ほしに音楽の河原崎かわらざきと校長が不倫していた事を聞く。

 次の日、屋上から教師の長谷はせが転落死する。いたのは河原崎で、落ちるのが見えて上って来たと証言。しかし慧天は先に死体じゃないのかと訝る。職員室にいた保志も気にするが、慧天任せ。彼には小6の時、学校で飼っていたウサギ殺しの犯人を見破った過去がある。疑われていた静紅の為に。

 屋上の鍵からは指紋もほぼ河原崎の物しか出ない。鍵を開けたのは彼女だが、長谷と何か話したのかもしれない。

 河原崎が二人を殺したなら筋は通る。音楽室に向かう静紅。窓を開けて風を入れると一葉の写真を見付け、直後窓から突き落とされる。幸い低層階だったので全身打撲で済む。慧天が見付け、パニックになり掛けながらも119番。渡された写真に、保志が反応する。

 昔の同級生と赤ん坊の写真。それを手に保志は河原崎の実家に向かい、彼女が強姦で出来た子供だと知る。警察に話しDNA鑑定。しかし河原崎の父親が長谷だった。捜査本部に向かう慧天と静紅、保志と河原崎。ヘッドホンを外した慧天は二年前の事件の関係者であることを明かし、推理を話し出す。

 河原崎の母への暴行に加担していた長谷は、校長に真実を伝えるべきだと進言したのだろう。聞かない校長を長谷は殺す。次の日屋上で彼女に全てを話し自殺。笑う河原崎。私は誰も殺してない。そして自身の妊娠を告げ、笑いながら連行されていく。

 お茶会。慧天にヘッドホンはない。少しずつ慣れて行こうと思っている。笑う彼に、安堵する静紅。

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