灰色魔女と罪と罰

1. 理解したこと

 ――八十八夜、リースは泣いた。

 一度泣きやんでも、思い出してまた泣いた。

 そして、理解する。

 ――千年の断罪。

――記憶を落とせ、大樹の者よ。記憶を拾え、灰色魔女よ。

 それらが、示すもの。それが「罪」なのだろう。

 夢の中でも、囁かれる。

 ――灰色魔女は、不幸を呼ぶ、と。

 「天」から与えられし、罰なのだと、「お偉方」の、残忍な嘲笑い方が、心に突き刺さる。

 ――リースは、決めた。

 もう、誰にも会わないようにしよう、と。



 彼女を探し続ける、老人精霊には気付かずに。

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