第67話 67
あなた、ライバルっている?
私にはいない。まあ、しいて言うなら、私自身がライバルね。だって悩み事から始まって、地獄の門や混沌(カオス)すら自由に操れるようになった私と対等に戦える者など存在する訳が無いのだから。
ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。
NJK(何か取り柄のある女子高生。)
「解決(ソルーション)!!!」
他の区の代表と戦って、
「解決(ソルーション)!!!」
他の区の代表と戦って、
「解決(ソルーション)!!!」
他の区の代表と戦って、
「解決(ソルーション)!!!」
と盛り上がる展開にしたいのだけど、戦いが始まる前の因縁付けってやつ? 本当に会話だけとかにしないと物語が進まないわ。
「げ、下民!?」
「なんて酷い言い方!?」
「差別よ!? 差別!?」
「あなたなんかに製作委員会に参加する資格はないわ!」
「そんな口を聞いてもいいの!?」
「そうよ! 私たちには薄皮さんがいるのよ!」
「おまえなんか、薄皮さんが倒してくれるわ!」
「どうぞ! 薄皮さん! 何か言ってやってください!」
え!? 私ですか!? なんで私を巻き込むの!? そんなに私を悩ませたいの!? なんてカワイイ応援団なんだ~! 悩むことが大好きな私は、アンコたち大道芸集団8人組の無茶苦茶なキラーパスを実は楽しんでいたりして。でも今の私は内気で人前で話すのが苦手なカワイイ女の子。なんも言えねえってね。
「・・・。」
「あなたが薄皮さん? 安そうな名前ね。」
「・・・。」
「て、てめえ! シカトしてんじゃねえぞー!!!」
おお、こわ~。みんなは分かってくれるよね? 私は無視をしているのではないってことを。それにしても残念だわ。傲慢さんとなら意見も合って、仲良くできると思ったのに・・・。静かに悩み事をさしてくれない人は、私は嫌いです。
「・・・。」
「なんとか言えよ!? 殺すぞ!?」
・・・むむむ!? 私がはっきりと他人のことを嫌いと思ったのは、もしかしたら初めてかもしれない。今までは自分の世界に逃げてばかりだったから。どうしたんだろう? 私は私に自信でも付いたのかな? なんだろう? 何かが私のことなのに、私の知らない所で私が変化しているのかな? これは私が成長したってこと?
「こらー! 薄皮! 大会前に問題を起こすな!」
ひょん教!? ひょん教のクセにいい所に来た! ナイスタイミング! 相手が生徒であるならば他校であっても教師の視線は気にするのはず。こういうことは非正規の公務員でも役に立つんだなあ。感心。感心。
「ちい!? 教師か!? 薄皮さん! 命拾いしたな! 次に会った時にはけちょんけちょんにしてやるから覚えていろ! さらばだ!」
忘れます。さようなら。バイバイ。私は手を振りながら去って行く傲慢さんを見送った。 今、私が悩んでいるのは傲慢さんは何区の代表生徒だったのだろうという素朴な悩み事だった。
「いくぞ! 薄皮! 東京都大会だ!」
この時、私は知らなかった。まさか製作委員会東京都大会がまともな論戦でないことを・・・。
つづく。
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