第66話 66
あなた、私の良さが分かるの?
難しい専門用語を並べて世界観だ! すごいだろ! みたいな作品が多い中で、私はシンプルに悩み事を押している。悩み、悩み、悩み抜かれていき二転三転する悩みの展開。ああー! 悩むごとに興奮する! これが私の良さよね。断っておくけど私は変態さんじゃないぞ。
ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。
NJK(何か取り柄のある女子高生。)
「解決(ソルーション)!!!」
尺が後2万字くらいしかないから、キャラクター設定を詰めるためのスピンオフでやり過ごすか、製作委員会東京都大会を開催するか悩んだけど、結局、盛り上がりやアニメ、ゲームなど展開を考えた時に戦い、戦い、戦いしかないと悩み抜いたわ。悲しいね。野球、サッカーのスポーツや百人一首、吹奏楽やアイドルでも戦って盛り上げるしかないなんて・・・。私は悩むことが出来れば、それだけでいいのにな~。
製作委員会東京都大会、当日。会場の東京都庁周辺を歩く私。
「フレ~! フレー! 薄皮さん!」
「フレ~! フレ~! 薄皮さん!」
「フレ~! フレ~! 薄皮さん!」
ゲッ!? アンコ、ツブコ、ズンコの和菓子三姉妹!? いつの間に私の親衛隊になったのよ!? やめて!? 恥ずかしいから!? アンコたちはチアガール風のコスチュームで手にはぼんぼりを付けて、私を応援するダンスを踊っている。
「ゴー! ゴー! 薄皮さん!」
「ゴー! ゴー! 薄皮さん!」
「ゴー! ゴー! 薄皮さん!」
「ゴー! ゴー! 薄皮さん!」
「ゴー! ゴー! 薄皮さん!」
うわっ!? ふ、増えてる!? サクコ、タイコ、ハチコ、キンコ、クレコの渋谷5人衆!? こいつらもまだ出る気なの!? ・・・いや! 違う! 恥ずかしいからやめてよね! そう、こっちよね。こっち。サクコたちはチアリーディングをして私を応援している・・・それとも私を辱めて楽しんでいるのかしら?
「薄皮さん。がんばってね。あなたには私がついているわ。」
う、ウイコ!? まさかウイコまで登場するなんて!? 私が声をかけられて振り返ると電撃ウイコがいた。ウイコは敵として戦ったのに、今では私の応援をしてくれている。これが昨日の敵は今日の友ってやつね。私は一人じゃない。私はみんなに助けてもらっているんだ。みんな、ありがとう。・・・恥ずかしいけど。
「うるさいわね! 下民共!」
なに!? この傲慢な女は!? 制服を着ているということは・・・この子も製作委員会に出場するというの!? ・・・なに? この嫌な感覚は? この女が醸し出している嫌な空気は!? 私がプレッシャーを感じているだと!? 最強の悩みニストの、この私が!? いったい、この女は・・・そうか!? NJKだ! こいつも何か取り柄のある女子高生なんだ!
「薄皮ヨモギ親衛隊? 薄皮ヨモギ雑技団? 薄皮ヨモギなんて名前、聞いたことも無い。ここは神聖なる製作委員会東京都大会の会場だ! 自分の意志も持たない大道芸集団は消えな!」
おお! 大正解! 私と意見が合うわ。なんていい子なのかしら。この子となら友達になれそう。ワ~イ! と、笑顔で手を叩く私だった。
つづく。
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