第63話 63

あなた、イメチェンしたことある?


私は今からする。30話くらいから、このスタイルでやって来たけど、話が進むに連れて物語独自のオリジナルワードが増えてきて、そろそろ管理できないから。


ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。

NJK(何か取り柄のある女子高生。)

「解決(ソルーション)!!!」


あれ? 決めゼリフなら地獄の門を呼び出す時のフレーズも集めた方がいいのかしら? もうキャラクター数も増えてきて、総キャラクター名も覚えれてないんですけど・・・。まあ、いいわ。物語を進めながら考えよう! それが私、薄皮ヨモギよ! ちょっと私の性格が明るくなったような気がするかもかも?



「欲しがりません! 勝つまでは!」


なんて言葉を私は言わない。言わされたって言わない。ということで、上記のセリフは私の状況のイメージであり、私の声でしゃべることが苦手な私が大声で態々話す道理が無い。だって、ここは職員室だもの。


「こら! 薄皮! なんとか言え! 悔しかったら口答えしてみろ!」


なぜ職員室でひょん教に説教をされているかというと、まず製作委員会の委員会室が職員室という設定と、私が渋谷区予選を突破したことに顔がにやけていて気持ちが悪いと𠮟咤激励がしたいらしい。もちろん私にとっては有難迷惑な話である。


「まあまあ、それぐらいにしてあげたらどうですか?」

「そうですよ。渋谷区代表だなんて、すごいね。」

「薄皮さん、よかったね。」

「薄皮は我が高校の誇りだ! 友達に自慢しよう!」

「ヨモギちゃん、写真撮らせて!」


不思議だ。私の退屈な日常の光景が少し変わってきた。今まで私みたいな存在感の無いアリンコかミジンコみたいな私に、今まで相手にしてくれなかった教師や生徒たちが声をかけてくれるようになった。


「・・・。」


これは何? 今までは私が、私から何も発信していなかったから誰も相手にしてくれなかったのかな? 悪いのは私? そんなことはない。だって、何もしてないのが悪いのだったら世の中のその他大勢の人が悪いことになっちゃう。


「・・・。」


私の価値が変わった? 私が製作委員会の渋谷区代表になったから? この人達は何? 私と同じ人間だけど、私と同じ人間に見えない・・・。絶対に私の友達でもない・・・。どうして、そんなに気安く私に触れてくるの!? どうして、私の意志を確かめないで、勝手に私のことを自分の私物のように扱うの!?


「・・・。」


た、助けて。急に息が苦しい。私の心が底の無い沼に落ちていくようだ。呼吸もできなくなって意識も遠のいていき、私は沈んで行くんだわ。私はこのまま死んでしまうんだわ。・・・ああ・・・一度は食べておけばよかった・・・薄皮ヨモギパン・・・バタ。


「ひょん教チョップ! 勝手に寝るな! まだ俺の説教は終わってないぞ!」


い、た~い!? 私が気持ちよく寝てるのに何!? 教師が生徒に暴力を振るうなんて許せない! 教育委員会にチクってやる! テレビ局にタレコミしてやる!


「・・・。」


ついつい悩み過ぎてしまうのは私のクセね。だって大好きな悩み事をしていると春の優しい木漏れ日に包まれながらお昼寝をしている様なんだもの。


つづく。

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