第50話 50
あなた、本領発揮したことがある?
私はこれから見せるところ。なぜ私の物語の中心が製作委員会なのか? それはなにか新しい小説コンテストが告知されたら、それをテーマにし議論する場が欲しかったから。さらにそれを小説にしてしまおうという作者の悪意がある。
ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。
私の世界征服の第一歩が始まる。まずは渋谷区代表になること。戦うためには準備が必要であり、本番の成功は準備にかかっていると言っても過言ではない。
「・・・。」
さあ! かかってこい! どんなお題でも私が製作委員会を制して世界征服を成し遂げて見せようぞ! ワッハッハー! 私はオープニングトークから少し私に酔っていた。だって、やっと本編にたどり着いたんだもの。
「薄皮。笑顔が不気味に怖い・・・。気を取り直して参考までにだが、例題のお題はネットニュース主催の日常で役に立つ作品ということだった・・・。」
ん? ことだった? なんだ? その何かを口に含んだようなものの言い方は。気になるではないか。どれ、少し私が悩んでやろう。まあ、精々、お題と結果の内容がかなり違ったということだろうな。
「それなのに、挿絵も異世界ファンタジーなら、ランキング上位を占めたのも異世界ファンタジーばかりで嘘みたいな例題だったのを覚えている。ここまで悪意があると事前に、それでもいいよと知っていた奴しか準備ができない・・・。」
敢えて言おう。詐欺であると。私の悩み事の可能性の中でも最悪な悩み事ね。お題とお題の答えが違う・・・これはどういうこと? 主催者の罠!? それとも最初から準備できる人間が決まっている出来レース!?
「要するに油断のできない戦いが待っているということだ。心してかかれよ。」
油断? 誰が油断をするって? 一度に百個は悩み事ができる私に油断などあるものですか。 もし私に隙が生じるとしたら・・・それは私が悩み事を止めた時だけね。まあ、そんなこともあり得ないけど。だって私は寝ながらでも何か悩んでいるもの。
「薄皮。おまえなら優勝できると俺は信じているぞ。」
ひょ、ひょ、ひょん教!? そんなに私のことを信じていてくれたのか!? 許してくれ! 私はおまえのことをひょんな教師だとか疫病神だとか貧乏神だとか、なんと酷いことばかり悩んでいたんだ!? 許してくれ!
「俺の正規公務員への道はおまえにかかっているぞ。」
・・・。前言撤回。謝った私がバカだった。やっぱりひょん教はひょん教だ。自分のことしか考えていない最悪な教師だ。カワイイ生徒を自分の私利私欲に利用するなど言語道断だ。6時のニュースで懲戒免職されるひょん教の映像が流れるのは時間の問題だろう。
「ウォーミングアップでアンケート問題と自己紹介問題を解いてもらおうか。」
・・・。私はアンケートを手早く答え、自己紹介も瞬時に作成した。大好きな悩み事をする感じで答えているのだが、こんな私でも私が何に悩んでいるのだろうとふと悩みに耽ることがある。製作委員会渋谷区大会・・・不安しかない。
つづく。
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