第43話 43
あなた、AIロボットって知ってる?
私は知ってるけど、別に東京の渋谷の高校に通学していても、ロボットなんて携帯電話ショップか電気屋さんでしか見ない。普及なんてしてないわ。
ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。
私は私の声が出せるほど勇気を奮い立たたせたことより、和菓子三姉妹が車に引かれて救急車を呼ぶことすら忘れるぐらい独特な関西弁に驚いた。
「こんな道の真ん中で遊んでたら引かれるのも当然やで。わては悪くないもん。」
ろ、ろ、ロボット!? ロボットが関西弁をしゃべっている!? しかもアンコ、ツブコ、ズンコをひき殺しても関西弁ロボットは自分は悪くないと言う・・・犯罪だろう? まあ私は和菓子三姉妹から解放されたことは良かった。
「さあ、祐名はん。学校に着きましたで! ・・・相変わらず寝たっきりで起きまへんな。普段通りに車いすで教室まで運ぶとしまひょか。」
なんだ!? 女の子!? しかも眠っている!? いったい何なんだ!? 自衛隊カラーの車からロボットが車いすに女の子を乗せる。その時、学校の始業を教える始業のベルがキーンコーンカーンコーンと鳴り響いた。
「あかん!? 遅刻や! そこのあんたもはよ教室に行きや! 遅刻しまっせ!」
「・・・。」
・・・私が遅刻したら、それはあんたの性だよ。おっといけない!? 本気で走らないと遅刻しちゃう! ダッシュだ! 私と車いす少女を押した関西弁ロボットは校門から教室まで競争するかのように教室の前までやって来た。
「はあ・・・はあ・・・やるな!? お嬢さん。ていうか・・・祐名はんと同じクラスかいな? それならそうと言ってえな。はあ・・・はあ・・・。」
ロボットのクセにバテている!? 最近のロボットはハイテクだな。爆走して来たのに車いすのお嬢さんは目を覚ましていない? 病弱なのかしら? それともただ眠たいだけかしら?
「こら! 薄皮! 森田! 授業は始まっているぞ! さっさと席に着かないと遅刻にするぞ!」
偉そうに!? 出たな! ひょん教! おまえなんか教師でなかったら私には命令なんかできないんだぞ! 道ですれ違いざまに声をかけられたら未成年者に対するわいせつ罪で警察に訴えてやる! 心の中は強気な私でも学校の中では教師であるひょん教には逆らえない。なぜなら教師は生徒である私んの通信簿を人質に取っているからだ。仕方が無いので私と関西弁のロボットは席に着いた。
「・・・。」
今まで気づかなかったけどロボットと車いす少女は私のクラスにいたんだ。知らなかったというか私の視野の狭さに少し照れる。私のクラスは生徒は何人いるんだろう? まだ3人しか知らない。まだ未知の生徒がいるのだろうか? ・・・不安だな。
「薄皮さん。ノートよろしく。私たち友達でしょ。」
「・・・。」
後ろを振り返ってノートを差し出すハーフさん。ハーフさんはそういう人間だけど私とハーフさんは友達だから私はノートを書くのだった。
つづく。
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