第39話 39

あなた、死にかけたことある?


私はある。巨人化した演劇さんに踏み潰されそうになった時、今までの人生の思い出が走馬灯のように見えた先に三途の川が流れている川のせせらぎを聞いたわ。


ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。


友達を作るのって大変よね? 私は命懸けで友達を作っているのよ! これが普通なのかしら? 悩めば悩むほど悩み事のラビリンスに悩み込む悩み多き乙女な私だった。


「これでエンディング曲の派手な絵面はOKっと!」


どこがOKだ!? 私は死にかけたんだぞ!? クソ!? 私が自由に声が出せたらひょん教を切り刻むのに!? 体育館から命かながら逃げてきた私は職員室で傲慢なひょん教の態度に殺意を募るのであった。


「どうだ? 薄皮。製作委員会の論戦は面白いだろう?」


いえ。全然、面白くないですよ。私の聞いていた製作委員会は相手と論戦をして、お互いの議論をぶつけ合って何かテーマを解決していく的なモノだと想像していたんですが、眠り、爆弾、毒、巨大化って、意味が分からないんですけど? それに私は委員長なのに自分の想いの宿った言葉が分からないから必殺技も奥義も何も使えないんですけど・・・。


「なに? 自分の想いの宿った言葉が分からないだと?」

「・・・。」

「そんなもん俺が知るか! 俺は薄皮じゃないんだからな。薄皮のことは薄皮本人しか分からないだろう?」


む、ムカつく!? なぜだろう? ひょん教ごときが教師らしいことを言うと無性に腹が立つ! ああー! 殴りたい! それがダメなら1枚3000円位の値段の高いピザを10枚注文してひょん教に支払いをさせたい! 私は心の中で火を吐きながら職員室を去って自宅への帰路についた。


「・・・。」


んん? どうしても私の私だけの言葉が分からない。ひょん教に聞いた私がバカだった。・・・そうだ! 病院に行ってみよう。病院の心療内科の変な女医の先生なら何とかできるかもしれない。シャイな私を薄皮ヨモギに変身させることができたみたいに何とかしてくれるかもしれない。


「・・・。」


なぜ!? パンダ!? 私は渋谷塚大学病院に寄り道をした。なぜか入り口にパンダがいた。きっと子供が着ぐるみパジャマでも着ているのだろう。私は気にせず病院の中に入っていく。


「お待ちください! 奥様! 奥様! 様奥!」

「嫌だ! 私は帰る! ラーメンを食べに行くんだ!」


あれは変な女医!? 婦長らしき変なおばさんに追いかけられているは? 様奥って呼ばれているけど・・・何故かしら? さらに追いかけられているのはなぜ? もう~私が悩みそうな興味のある展開にしないでよ。


「あら!? 薄皮さん!?」


こんにちわ。ペコっと頭を下げる礼儀正しい私。変な女医と運命的な再開を果たしたのであった。この変な女医さんや入り口のパンダを知っている人は渋谷塚のかなりの通である。


つづく。

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