第27話 27

あなた、友達の作り方を知ってる?


私は知らない。私にできることはハーフさんの代わりに廊下に立つことだけだった。歴史書には友達になりたかったら3回お家を訪ねろと書いてあるが、押し売り販売の訪問と勘違いされないか心配してしまう・・・。


ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。


悩みに悩んで出した私の奥の手が覚醒することだった。薄皮ヨモギになりさえすれば、きっと言葉で捲し立ててハーフさんを絶対に説得できる・・・はず。悩んで、悩んで、悩んでも、そこら辺の小学生が簡単に友達を作れるのに高校生になった私には大きな問題だった。


「・・・。」


私はハーフさんと友達になろうと心の中で魔法の言葉を唱えた。何度も、何度も、何度も唱えたが私は私のままで、もう一人の私、薄皮ヨモギになることはその日はなかった。どうやら1日1回が覚醒できる回数の限界らしい。もし明日、目が覚めても覚醒することができなければ、再使用までには24時間は間を空けないといけないのだろう。ちなみにまだ高校3日目は終わっていない・・・。


「おい、薄皮。いつまで立っている? 練習試合は明日の放課後だからな。」


なんだと!? ふざけるな! 私に廊下に立っていろと言ったのはおまえだろうが!? おかげでハーフさんと友達になることができなかったじゃないか!? どうしてくれるんだ!? ひょん教!? 去って行くひょん教に笑顔で手を振り心で怒鳴りまくっていた私は製作委員会の練習試合なるもののことはまったく頭に思い浮かばなかった。  


「ハ、ハ、ハーフさん! わ、わ、私と遊んでください!」


い、言えた! 今までの私の人生で一番の勇気を振り絞ったぞ! 今日・・・いや、今この世界が終わると思って覚悟を決めて言いきった! 私はやり遂げたんだ! 私はやればできる子に違いない。神よ! 祝福してくれてありがとう!


「いいよ。薄皮さん。」

「やったー!」

「決闘だ。私の科学力に勝てるかな?」

「・・・。」


え? なに? 今の言葉よく聞き取れなかった。んん? 私たちは遊ぶのよね? なぜそれが決闘になるの? 意味が分からない。ハーフさんは日本語が片言なのよ? きっとそうに違いない。それとも私の耳がおかしくなったのかしら?


「ど、どうして!? 私たちが戦わなくちゃいけないの!?」

「それは言葉だけでは守れないものがあるからよ。」

「どういう意味なの!?」

「ワタシニホンゴワカリマセン。」

「・・・。」


う、ううううう!? エセ外国人でもハーフさんカッコイイ! かっこよ過ぎよ!それにしても言葉だけでは守れないものがあるってどういう意味なんだろう? まるできれいごとだけじゃダメ、まるで相手を叩きのめす武力が必要な時もあると言っている様だった。


「それじゃ始めるよ。」

「はい。」

「バン。」

「え? えーーーーーーー!?」


決闘の開始と共に爆発音がし学校が崩壊した。ハーフさんは窓から脱出。そして私は必死だったので自分がある程度普通にしゃべれていたことを自覚する間もなく、2日続けて救急車で病院に搬送された。


つづく。

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