第15話 15

あなた、悩み事を解決したことある?


私はある。高校初日の悩み事をこれから解決しに行く。私は自分を嫌いにならないために、今日できることは今日中に終わらせる主義だ。夏休みの宿題も最初の一週間で終わらせて、後は大好きな悩み事三昧を楽しむの。優雅な生活でしょ? 羨ましいでしょ? 


人間の脳みそには悩み事の絶対数があると思う。一つの悩み事なら脳みそ100%で全力に解決できる。しかし悩み事の数が増えれば、脳みそは悩むことを二つ三つに分散しなければいけない。それがストレスになって、人間はパンクしてしまう。例えるとパソコン。メモリー不足になり処理速度が遅くなったり画面が固まってしまうのと同じ。人間も壊れたら自律神経失調症になってしまったり自閉症になり言葉が話せなくなってしまう。


「おら! 金出しなさい!」

「そうよ! そうよ!」

「こいつ、ビビってるわ!」


いた! 粗大ごみ3人組。名も無いままに私が消すんだけど、名前を付けてあげただけ感謝してほしいものね。私の悩み事が正しければ、弱い者いじめをする人間は、強い者には立ち向かわないけど、無抵抗な人間を見つけると手あたり次第傲慢な態度で接する。だから私以外の者にも、どこかでカツアゲをしていると思ったわ。


「オラオラ!」

「やっちゃえ! やっちゃえ!」

「キャハハハハ! 面白い!」


これで恐喝と暴行の現行犯確定。あ、殴られた子からお金を取った。これで強盗。殴られて倒れた女の子の膝から血が出てる。これで暴行から傷害に進化と。はあ、あなたたちみたいな粗大ごみばかり生み出す日本の学校生活の性で知らなくてもいいことばかり詳しくなっちゃうじゃないの? どうしてくれるのよ?


「最初から出してれば痛い目をしなくて良かったんだよ!」

「やったー! こいつ、結構もってるぜ!」

「こいつ裸にして写真撮って、歯向かえないようにしとく? 学校とかサツとかにチクられたら面倒だし。」

「そうだな。ウリをやってもらって、私たちが遊ぶお金を稼いでもらおうか?」

「脱がせ脱がせ! 暴れたら殴るぞ!」

「ケッケッケ! スマホ様様だぜ! ほれ、即席ヌード撮影会だ!」


これが現実だ。今時の中高生で流行ってるから、ほんと困る。ヌード写真を自分で撮影して送る? 余程のバカでない限り、何の理由もなく送る訳ないでしょ。ニュースを見てると大人の何事も無かったような対応に無性に腹が立つ。被害にあってる女の子は毎日たくさんいるのに・・・。中高生は複雑だ。子供でも無ければ大人でもない。小学生は、まだ発育不全。女子大生は飲み会レイプは、飲み会に参加した女の自業自得。でも中高生は、それに該当しないから。


「お巡りさん、ゲームセンターの裏で女の子が剥かれています。」


これで現行犯逮捕だ。別に女の子を助けようと思った訳ではない。私は私の悩みの種になりそうな粗大ごみにシールを貼って捨てる準備をしただけだ。でも粗大ごみは最後にいいことを言った。スマホ様様だと。私は粗大ごみ3人組の犯行の動画と音声を手に入れた。


つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る