第12話 魔法の威力

「死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、死んで、、、どうして死なないのよ!」

 空から叫び声が耳にキンキンしながら聞こえる。同時に雷鳴の炸裂音も響き、空を見上げると二人の少女がいた。

 一方は昨日見た少女で息を切らしながら、紫色にスパークする雷を目標である抹茶へ打ち込む。

 一方は抹茶でただぼんやりと死んだような瞳でそれを受けている。

 しかし抹茶はかすり傷一つ受けていなかった。

 服も何も汚れていない。

「あの時殺しておけばよかった!!!!!!」少女はそう言って両腕を上に挙げ紫色のオーラを持つ塊を作り始める。


「そこまでよ」抹茶がそう言って、右てのひらを前に掲げ、両目がエメラルド色に光る。


 ドスーンと音がして黒色の光が抹茶の右手からほとばしり、少女の腹を貫いた。


「おごっ・・・」少女を貫通していった黒色の光は、また少女の腹の中を行き戻り抹茶の挙げた手のひらへと戻る。


 少女は口から黒い血を吐きそのまま僕の家へと落下した。

 

 抹茶は何食わぬ顔で少女の落下した方へ手のひらを向けた。


 死んだ少女が落下された場所から浮かび上がってくる。

 死体の宙吊りだった。


 抹茶は開いた手のひらを、グッと握りしめるとその死んだ少女は圧縮され赤い血が辺り空中に飛び散った。

 僕の目前の地面に血飛沫が飛んできた。

 僕はそれを見るとこの呆気ない戦いに、抹茶に恐怖した。


「ごめんねー、敵対する者は抹消しなきゃいけないの」

 文字通り少女は抹消された。この世界から。


 僕は床に崩れ落ちて小便を漏らしてしまった。

 抹茶はそれに、

「あなたお漏らししちゃったの?パンツ取り替えなくちゃね」と言う。

「君にはもうコリゴリだよ・・・」僕はそう言うとへなへなと床に頭を付けた。


「今から家を修復するから」

 抹茶の手のひらに光が集まり、その光が家の周囲へと拡散される。

 僅か一瞬で家は元通りになった。

 

 僕は急いで家に戻ると玄関の鍵を閉めた。


 抹茶が薄い玄関の扉をノックする音が聞こえる。


 僕は部屋の奥へと行き、震えていた。


「あのね、ここからでも魔法は使えるのよ。あなたに鍵を開けさせるようにかけることも可能。それが嫌だったら自分で開けなさい」

 僕は部屋の奥で腰をべったりと床に押し付け、動けないでいた。


「あー、仕方ないわね」抹茶はそう言うと、ガチャリと小さな音で鍵が開く音がした。

 小さな音でも不思議とそれは僕の耳に入ってくる。

 

 僕は心臓がバクバクして息が荒くなった。


 近づいてくる。


 僕は彼女を見ないようにギュッと目を閉じて固まっていた。



 彼女の人を殺した手のひらが僕の頬にそえられた。

「可哀想に、怖かったのね」抹茶はそう言って僕に無理矢理キスをした。


 彼女が口を離した時に僕は、

「なぜわざわざ殺したんだい?」と震えながら言った。

「あいつらの中の一人に私と同じ最高位の魔女がいるの。あいつはそいつと結託して私を襲ってくる。私を狙う最高位の魔女を殺さない限りあいつらは襲ってくる。今後も人を殺さないといけない。それが最高位の魔女である、王女である私の宿命なの」

 抹茶はそう言うと僕のズボンに手をかけ脱がしていく。

 僕はガクガクと震え、抵抗出来なかった。

 

 ズボンが脱がされ、パンツも脱がされていく。

 僕はなんだか悲しい気持ちになったが、十七歳の少女に衣服を脱がされることに興奮を覚えていた。


「やっぱり、あなた体は正直ね」僕の体は震えているにも関わらず部分的には固くなっていた。

「どうする?」抹茶は尋ねる。

「どうするって何を?」僕は涙が出てきた。

「する?」

 僕は死にそうな気持ちで頷いた。

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