第3話 運命

 二階の喫煙所に着くとタバコの灰皿の周りは誰もいなく少し離れたアスファルトの屋外の地面の上に一人の女子生徒と男子生徒がいた。

「なぜ男子生徒がいるんだ?」僕は小さくひとりごちると傍にいる抹茶は息を呑みハッとした顔になった。

「待って、あの女子生徒、未来人だわ。危険よ」

「何が危険なんだい?それより君、タバコ持ってる?あ、そっか裸でこの世界来たんだったね」僕は禁断症状マックスだった。

「今は何も私は戦える武器は持ってないの、逃げるわよ」そう言うと彼女は僕の手を引き室内に戻り走り出した。僕も釣られるように走っていく。

「どうして逃げるんだい?」僕は訝しげに言う。

「後で説明するからこの建物から直ぐ出るわよ!!」彼女は切迫した勢いでそう言うと階段に着き一気に駆け下る。後からさっき見た女子生徒と男子生徒が走ってきていた。

「お腹は狙わないで、頭と手足を撃つのよ」先程の女子生徒の声だ。

「銃は初めて使うので近寄らないと撃てないよ」

「じゃあ私が撃つわ」

 そしてズドーンと銃声が鳴った。

「どうなってるんだい!?あれは本物だよね?」僕はそう言うと僕を掠めた銃弾が穿たれた壁を見つめ、直ぐにそこを通り過ぎ走っていく。

「いい?手短に言うわよ、私は未来では王女で体にはタイムマシンの心臓部が埋め込まれていて、未来から過去にこれ以上人が送られないようにするためにこちらの世界に来た未来人は私を殺そうとするのよ!だから私はこの世界に来るのは危険だったけど、もう体が限界だったから来たの!わかった!?」

「わかったよ。まさかここで幕が閉じる人生だとわ」

「死なないで生きるのよ!」

「銃弾とどうやって戦うんだい!」

「この世界に私の体が未だ順応しきってないの、さっきのキスでウィルスは一旦抜けたけど魔力は充填出来ていない」

「魔力ってなんだい?え?」僕はそう言うと彼女の瞳がエメラルド色に何かの模様で発色した。

「魔力の源は適度な睡眠と無理ない食事よ!ダイエットと一緒!今は徹夜明けみたいな状態だから少ししか使えないから逃げられるだけだわ」

「いや、そうじゃなくて魔力ってファンタジーアニメにある魔法とかのこと?」

「あなたの先にいる未来になって可能になった機械仕掛けの魔法のことよ!」

「なるほど、機械仕掛けのか」

「魔法はもう発動出来るようなったわ。私にしっかり捕まってバイクに乗るように!」そう言う彼女に僕はしっかり腰を持ち捕まると耳元でギュイーンと音がした。

「クソ!消える!」女子生徒がそう言う。「その前に死んで!」

 僕は銃弾が迫ってくるのを知覚した。だが次の瞬間僕らはそこからいなくなって深い森にいた。

「ワープ出来たようね。ここは何処だかわかる、あなた?」抹茶はちょろちょろと視線を動かしている。

「おそらく町外れにある大地主の持っている森の中だと思う」

「良かったここが何処だかわかって」

「あのさ、全ての未来人が君を狙っているんだったらまずくないか?」

「全ての人がってわけじゃないの。私の家族は、つまりは王家は国民に末世の危機になってつまり伝染病のことね全ての未来人をいずれかの過去に送ろうとしてたんだけど、それに猛反発した人達がいたの。ここで滅びるべきだってね」

「なぜ滅びようとするんだい?」

「それは・・・」彼女はそれを機に口をつぐんだ。

「そして君と一緒にいた僕も命を狙われるようになったのかな?」

「ごめんなさいね。無理矢理巻き込んじゃって」

「ホント無理矢理だよ。でもこれも運命かな、って考えてる」

 そして僕らはしばらく座り込んでいた。

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