EP2 人類最強の必殺技について

?????


 んんんんーー?

 なんだ?目を開けたはずなのに目の前が真っ暗だぞ?目隠しされているのか?

 口には猿轡をかまされているみたいだし、両手両足も縛られているな・・・。なぜ・・・?

 だがしかし、ここには床がある。空気もある。静かだが宇宙空間のように静かではない。

 イカン。ちょっとトラウマになっているかもしれん。

 なんだか機械音のような音も聞こえるし、人の気配もする。ここはどこなんだろう?

 しばらく眠っていたせいか体が若干固くなっていて、あちこち痛いんだが・・・。

 伸びもできないし寝返りも無zかしいな。せめて手と足を分けて縛ってくれれば寝返りぐらい打てたのに。

 この扱いには断固として抗議したいものだ。いったいなんでこんな目にあっているのか・・・。

 頭にちょっと血が上ってきたかもしれない。ちょっぴりこのまま叫んでみようか。


「んんぉぉぉおおおおおおぉおああああああああ!!!」


 ひぃっ!自分でもびっくりするぐらい大きな声が出たっ!俺ってこんなに声大きかったっけ?

 若干空間が振動したような気もする。

 ああ。なんだか凄い数の足音がこっちに向かってきている。

 そりゃあんな大きな声が聞こえてきたら、みんなびっくりするわな。すんません。


 「何の音だ!今だれがあんな悍ましい音出しやがった!声か?叫び声か?

 「モンスターでも隠していやがったのか?」

 「おいてめぇ!答えやがれ!」

 「ふざけた真似してると、そのまま宇宙へ放り出すぞ!」


 ひぃぃ!なんかおっかない人たちきたぁ!すみません犯人は俺です!

 って言いたいけど猿轡のせいで旨く喋れん。


 「むうぅううー!


 さっきよりだいぶ絞って声を出してみた。これくらいならいけそうだ。


 「むむむーーー!」


 するとさっきの一団がこちらに向かってくるようだ。


 「おいテメーか!さっきの気持ちわりー声は!


 後ろから声がする。そっちにいるんじゃ頷いても見えないんじゃない?


 「むむむむーーー!」

 「ええいうるせー!猿轡を取ってやれ!」


 え?マジ?ラッキー。これでようやく人並みにしゃべれるようになったぜ。


 「ぶはぁ!ようやく外してくれたか。いったい何のために・・・」

 「誰が喋っていいといった!」


 グッぁ!鳩尾蹴ってきやがった!なんだこいつ!ってか思ったほど痛くないな。びっくりしたけど。


 「何すんだテメー!」

 「黙れコノヤロー!」


 うっ。こいつさっきから好き放題しやがって!何様なんだよ一体!

 

 「なんでもいいからさっさと俺を解放しやがれ!ふざけてんじゃねーよ!」

 「コノヤローさっきから自分の立場が分かってねえな。」

 「よーしやっちまえー!」


 あいたっ!なんだなんだ!何人居るんだいったい?っていうか痛くないけど

 どうなってんだ?あ・・・。そうだこんな時こそ。

 教えてナノマシン!


ーーーーー


Q&Aプログラム起動


データロード完了


質問をどうぞ


 今この状況を説明してくれ。


A_現在冥王星宙域の外れ、暗礁宙域に停泊中の宇宙戦艦「コバヤシ」のF2監禁房に居ます。

  先ほどのマスターによる雄たけびに、驚かされた海賊たちが、粛清のためにここへやってきたところです。

 

 ぐむぅ。俺のせいか自業自得ってやつか?いやいやいや。

 そもそも何でこんな暴行を受けいるんだ俺は?


A_先ほどの挑発行為による憎しみの増加による八つ当たりと推察されます。


 八つ当たりかよ!ナノマシン!なんかこの状況を打開するアドバイスはないか?


A_殺してしまえばいいと思います。


 ド直球だな!しかしそうしようにも、こんな状態ではなぁ・・・。

 何か方法はないか?


A_腕力で引きちぎってしまうのが最短です。


 え?いやいや。俺普通の人間だし。そんな超人じみたパワーないよ!


A_あります。


 質問してないのに答え来た!

 あるのかよ!

 ・・・よく考えてみたら、ナノマシンは俺の体の中にあるんだよな。

 俺以上に体を知っていてもおかしくはないか・・・。

 やってみるか・・・。なめた真似しやがって・・・。


Q&Aプログラムを終了します


ーーーーー

 

 「なんだぁこいつ?急に黙りこくってビビっちまったのか?あぁあん?」

 「ビビってねぇよこのくずやロー!」


パァン!パァン!


 んおぉ!動く!動くぞ手足!まったく・・・目隠しもきつ過ぎなんだよ。

 血ぃ止まったらどないすんねん・・・。


 「は?え?」


 ようやく目が見えるようになったぜ!眩しくはないが凄い埃っぽいなここは。

 そんでアホ面呆けているこいつらがさっきの、奴らか。

 散々蹴りまくりやがって、全く痛くはなかったが、すっげームカついたんだが。


 「ちょっとお前らチョーシ乗ってんじゃん?」

 「え?なに?」

 「なんだこいつ??」


 反応が今一つだな。そう。昔から決まってる。

 口で言ってわからん奴は殴って分からせるしかないと。

 俺も昔先輩からそうやって鍛えられた。

 おk。

 とりあえず一番前にいるやつ。いや。まて。

 あまり騒ぎになってもなんだ。なんか方法はないか…?

 教えてナノマシン先生。


ーーーーー


Q&Aプログラム起動


 騒ぎを起こさずにこの場を収めることはできないか?


A_可能。現状三つの手段が提示可能。

1_全員殺す

2_全員ののどをつぶして手足を拘束する。

3_ナノマシンによる精神支配を行う


 ずいぶんバイオレンスな話だな・・・。1・2も実行したいが

正直3が気になってしょうがない。3だ。3で行く。


A_了解。マスター大きく息を吸ってはいてください。

 精神支配プログラムを起動します。


ーーーーー


 すーーーーーはーーーーーーー。

 すーーーーーはーーーーーーー。

 こんなもんか?


 「「「「あぴゅ。きゅぃや!んぎいいぎいい」」」」


 !?なんかえらいことになってんぞ。突然白目剥いて泡吹いて倒れたように見えるが・・・。


ーーーーー


 あれはどうなってるの?


A_脳を物理的に書き換えています。


 それ精神支配なのか?


A_精神、自我をつかさどる肉体部分を改竄しているので、その範疇に収まるかと。


 もう何でもいいか


Q&Aプログラムを終了します


ーーーーーー


 これ倒れたまんまとかじゃないよな・・・。すげー邪魔なんで自分で動いてほしいんだが・・・。


ーーーーーー


書き換えが完了しました。

思念波によるコマンド操作が可能です。


ーーーーーー


 おっ。思念波か・・・念じるだけとかそんな感じかな?

 全員起立!


ザザッ


 右向けっ右っ!


ザッザッ


 左向け―左っ!


ザッザッ


 なかなか楽しいな。

 ・・・・・。全員屹立!


・・・・・


 じーっ・・・。なるほど・・・そこまで操作できるのか。

 このまま放置しておくと貧血になったりするのかね?

 まぁなんにせよ静かになったのでよかったよかった。

 よし。とりあえず脱出かな?ここに居てもいいこと無さそうだし。

 ここは宇宙戦艦とか言っていたな?後小林が何とか。つまり宇宙船の中か・・・。

 きったねぇなぁしかし。なんかすげー臭いし。便所くせぇ・・・。

 いったいどこからこの臭いが・・・?

 キョロキョロあたりを見回してみると、暗がりに何かいる。

 においの元はあtれか。排水溝か便器でもあるのか?

 近づいて見るべきだと、俺のゴーストがささやいている・

 でも鼻が曲がりそう。


 「誰かいんのかぁ?」


 返事はないな人間じゃない可能性もあるな・・・。

 代わりにジョジョジョーっと液体を噴射するような音が聞こえ

 肌寒い牢屋と思わしきここに、湯気が立つ。

 あっ・・・。


 「なんかごめん。誰かわからんけど」


 とりあえず謝らにゃいかんと、死んだばぁちゃんに怒られた気がした。


 「ひっ・・ひっ・・・ぐすっ」


 なんかしゃっくりあげてるな、埒があかんから見に行くか。

 コツコツコツと、革靴の音が響く中、俺が目にしたそれは・・・

 全裸の美女。全裸!ヒュー―!

 じゃない。

 手も足も鎖でつながれているな。さっきの俺と同じ状態だわ。

 ・・・きっと、俺が眠っている間ににゃんにゃんあったんだろうなぁ・・・。

 羨まし・・・じゃない。いっそ今から・・・。いやいやいや。

 一定のモラルは持ち合わせております。はい。

 てか、よく見るとっすげーいい体してるな。

 ・・・このままじっと見てると滾ってきそうだ。いかんいかん。


 「大丈夫か?って、とりあえず外してからだな。この鎖やらなんやらを。」

 「んーー!んんーー!」


 いやいやって、まぁここは一気に・・・いや。

 無理にひっぺがして騒がれでもした日にゃ、折角のあれが台無しだな。

 とりあえず足と目隠しを外して…と。


ぶちっ!ぶちぶちっ!

ジャラジャラカーン


 あっ。鎖引きちぎったら壁まで飛んでった・・・。

 おぅ。さらに背徳的な姿になったなぁ・・・。いかんいかん。

 このままでは、野獣が目を覚ましてしまう。


 「初めまして・・・だと思うが。大丈夫か?首は触れるだろ?」


 目が徐々に見えるようになったのか、俺のことをしっかり見つめてきた。

 きれいな目をしている・・・んだが何か急にもじもじしだしたぞ?


 「んんぅ・・・んーーぅ。」


 ぐっ。急に艶っぽい空気き出てきたな、その目は反則だろ・・・。

 おい・・・股を広げて顔を背けるな・・・!


 「んんん・・・?むむぅ?」


 あかん。


 「後悔すんなよ!」





 ふぅ。





 あぁーーー・・・・。

 俺ってこんな自制心弱かったかぁ・・・。

 でもまぁ。ヤッちまったもんは仕方ない。

 やー。すっきりしたわ。

 

 「さて行くか・・・」

 「んーーーーー!んーーーーー!」

 「おおぉ。すまん忘れていたわけじゃないんだ。

あんまり大きな声を出さないでくれよ?」

 

 なんかしっぽがあったらブンブン振ってそうなぐらいすり寄ってくるな。

 てか色々あって今更って感じだが。俺も全裸だったという話で。

 もうその流れは自然なものでした・・・。

 じゃない。


パキン

ブチッ


 「ふぅ・・・。あの・・・。」

 「なんかすまん。」

 「いえっ。全然良いです!むしろ望むところというか!すごくきもち・・・」

 「まてまて、その話もそうだがさっさと取ってやらなくて悪かった。」

 「いえ。それこそ望むところです。」

 「どういう事だ。こら。」

 「あ、いえ。失礼しました。」

 

 まぁ。合意の上だったというのなら。いいか!もうキニシナイ!


 「起きれるか?」

 「えっと・・・少し時間がいただきたいです。もう三日はあのままでしたから。」

 「三日!そうだったのか。それはますます悪いことしたな」


ーーーーー


マスターへ報告

先ほどの行為によりナノマシンを大量注入いたしました

マスターの眷属として使役が可能です。


 何だそれどういうこっちゃ?


マスターと人種個体によるセッ


 いわなくていい!分かってる!

 やったさ!ああやったよ!

 じゃなくて

 眷属とか使役って言うのはどういうことだと聞いているんだ。

 あと大量注入っていう表現が・・・いや何でもない。


ナノマシンホストであるマスターの体で新たに生産された

ナノマシン端末を生物に送り込むことで、脳改造や肉体改造が

可能となりました。これに伴い、脳を媒介とし、肉体と融合する精神体を

改変することが可能になりました。


 ・・・おっかねぇ。おっかねぇ!おっかねぇっすナノマシンさん!いや先生!

 そこまでするつもりねぇよ!てか別に敵対してないから!

 この娘は別にそこまでしなくてもいいだろうよ!というわけだ。


了解。処置を保留し監視体制に移行します。



ーーーーー


 「あの・・?」

 「あぁ。すまん。ちょっと考え事だ。」

 「・・・考え中の横顔も素敵・・・」

 「え?」

 「なんでもありませんっ!」

 「けっこう元気だな?一人で歩けるか?」

 「あぁっ足がまだ・・・」


 嘘くさくなってきたな・・・

 まぁいい

 せっかく初めて人間にあったんだ、いろいろ聞きたいことがあるんだけど・・・。

 とりあえず風呂とか着替えとかほしいなこれ。

 えーっと。

 あー。さっきからほったらかしだったなこいつら。

 直立不動の体制のままプルプルしている五人の野郎どもにも

 役割を与えてやろう。どこまでできるのか試してみたいしな。


 「よし。そこのちょっとちっさいやつこっち来い。」

 「ハッ」


 ふむ。行動もイメージ、思念波を送り込むことによって、ほぼ完全に制御できるみたいだな。

 両脇をしっかり締めて駆け足で近寄ってきた。

 集団行動の訓練をしているみたいにも見えてきたな。

 にしてもこいつは・・・モノがデカい割に身長が低いな・・・。


 「彼はドワーフ種の血を引いているようですね。」


 俺の腕を支えにやっと立っている彼女が教えてくれた。


 「ドワーフ?ドワーフってあの?鍛冶が得意だったりガハハッって笑ったり

ラリホーの?」

「ラリホ-は分かりませんが概ねそういう感じですね、手先が器用で力が強い。

そして数学に強いというのも特徴ですね。」

 「ほー。数学ねぇ。」

 「ですがこうやって海賊に身を落としている時点で

程度が知れているとは思われますが。」

 「ふむ。とりあえず。そうだな。誰にも見つからずに休憩できるところに案内しろ。他の奴らも付いてこい。」

 「「「「「ハッ!」」」」」


 ドワーフの男を先頭に全裸の二人、おっさん四人がぞろぞろ

歩いているのはなかなか目立つなこれ。さっさと着かないかねこれ。寒いし。

そんで階段が冷やっこい。という事は。


 「なあぁんた階段大丈夫か?おんぶする?」

 「ぜひ!」


 めっちゃ嬉しそうやん。

 まぁ悪い気はしないというか、俺もなんかワクワクしてきた!

 よいしょっ。かるっ。

 あぁ。幸せ感覚。もろ素肌。・・・ん?なんか手が生あったかい。


 「あっ!ちょ!あのっ一回おろしてもらっても・・・?」

 「・・・お漏らし?」

 「ちがいます!違いますからぁ!」

 「ごめん知ってる。」

 「もーーー!」

 

 ぐいぐい背中を押して離れようとするが、びくともしないみたいで

背中に身を預けてきた。


 「垂れてきちゃった・・・。」


 ヤバいわこれ。また元気になっちゃう。

 

 「まぁまぁ。」

 「あの・・・ごめんなさい。量が・・・。」


 確かにすごい量だなこれ。自分でもびっくりだわこれ。


 「おいだれか、ちょっと拭くもん寄こせ。」

 「ハッ。」

 「何だこれ?テレクラのティッシュか?アドレスみたいなのが書いてあるな。」

 「あの、そんなことより・・・!いっぱい出てきて・・・!」

 「悪い悪い。ほら。ん?そこトイレじゃないか?」


 ティッシュをひったくってトイレと思われる部屋に飛び込んでいった。


 「あそこは何の部屋なんだ?」

 「ハッ。使用済み燃料の一時保管所であります!」

 「もどってこーーーーい!」


ドンドンドン

ドンドンドン


 「なななんですか!もうちょっと待ってください!」

 「それ処じゃない!そこは被爆しちゃうところだ――!」


バン!

 

 さっき見てなかったけど引き戸だったのね。


 「もっと早く言ってください!死ぬかと思ったじゃないですか!」

 「悪い。俺も今知ったもんだから。で、拭き終わったのか?」

 「・・・はい。」


 俯いてしまったな。しかしいつまでもここに居るわけには・・・。

 ん?あのコンセントみたいなのなんだ?


 「おい。この差込口なんだ?何用?」

 「ハッ。制御端末用の入力ポートです。」


 制御端末ねぇ。なんか使えそうな気がするな。

 教えてナノマシン



ーーーーー


Q&Aプログラムを起動します。


 この入力ポートを使って俺なら何ができる?


A_このポートを使用することによって船の制御を掌握可能です。


 いきなりクライマックスだな。乗っ取れちゃうか。

 よし。じゃあさっそく乗っ取っちまおう。


了解マスタ―ポートに息を吹きかけてください。


 よし。ふーーーー!


ポートへの侵入を確認。

探知可能なルートをすべてトレースします。

艦内のマッピング完了。

監視カメラのモニターが可能です。

全ての隔壁の操作が可能です。

生命維持装置の切り替えが可能です。

動力の調節が可能です。

火器管制を掌握しました。

全砲門の遠隔操作が可能です。

生活用水の制御が可能です。

etc

艦艇の完全掌握が終了しました。


 はやっ。まだ一分もたってないぞ。

 よし。カメラの映像をくれ。ってどこにだ?


マスターの脳内に直接投影可能です。

ご覧になりますか?


 よしくれ。


ーーーーー


主艦橋を映します。


 「ったく・・・穴倉の奴らからの連絡はまだねぇのか!」

 「は、はいっ!ありません。こちらからも呼びかけていますが

反応がありません。」

 

 おっ、あのオペレーターの女の子可愛いな。他にいるのは

馬と、あれはライオンか?あとアレは・・・!?

魚?人魚か?人魚というよりどっちかっていうと魚人?

頭だけ魚ってスゲーな。世界は不思議でいっぱいだぁ。


 「ん?なんだカメラの動きがおかしいな?」


 うぉっあの魚気づいたか?

 ん?なんだ?しっしってしてるぞ?

 報告しないみたいだな?見逃された?


 「おいボス、この小さい船にあんないっぱい捕虜詰め込んで、どうするんだ?」

 「そうです。食料も水もなくなってしまいます。」

 「うるせぇ!クソガキ!テメーはさっさと穴倉を呼び出せ!

ドレン!てめぇも腕が立つからって調子乗ってんじゃねぇぞ!ここでは

俺がボスだ!お・れ・が!ボスなんだよ!」

 「わかったわかったから、臭い馬面こっち向けるな。」

 「てめぇぶっ殺してやろうか・・・。」

 「はいはい。ジンガラ・エントット様には逆らいませんよ。なぁ。パネルよ」


 魚に話を振られたライオンもこくりと頷いて、興味をなくしたのか艦橋を出ていった。


 「パネルの奴も読めねぇ奴だ。ハルキ!対空監視怠るんじゃねぇぞ。」

 「ハイハイ。わかってますよー。」


 ハルキ。・・・春木、晴樹?日本人か?

 ナノマシン先生あいつ等についての情報はないか?


A_ジンガラ・エントット

 馬族の獣人。現在太陽系全域に指名手配中の海賊。

 賞金4千万クレジット

 主に奴隷を扱う海賊だが足癖が悪く関わった戦闘では

 必ず一人は殺さないと収まりがつかない。


A_パネル・ナキ

 ライオン族の獣人。現在冥王星宙域に指名手配中。

 賞金一千万クレジット

 海賊行為を伴う戦闘行為が主な海賊。

 警察関係者を執拗に狙うことからポリスキラーの二つ名がある。


A_ドレン・ジャッジョ

 サハギン種男。現在の賞罰なし。

 海賊にやとわれた傭兵と思われる。

 詳細情報なし。



ーーーーー

 

 ふぅ。結構疲れるなこれ


 「あの?どうしましたか?ぼーっとなさって?」

 「・・・・あっちょっとまって。」


 ナノマシン先生。

 彼女にもさっきの映像を見せることってできるのか?


ーーーーー


A_可能です


 よし。了解。覚えとこ。


ーーーーー


 「すまん。もう大丈夫だ。あっちに行こう。風呂と着替えがある。」

 「えっ。ひゃっ。」


 こういう時はお姫様抱っこと相場が決まっているだろう。

 スタスタと目的地を目指して進むと、後ろからぞろぞろと5おっさんがついてくる。

 もういらないかなぁ?まぁいいふろだ風呂!


 「俺たちはこれから風呂に入るから、着替え用意しとけ。」

 「「「「「ハッ」」」」」


 一斉に散っていった。どこまで行くんだあいつら。


 「ここがお風呂何ですか?」

 「そ。さっきみたいに間違ってないから大丈夫だ。」


 うわぁ。狭いし汚い。


 「一人用ですね。」

 「気にすんな時間がもったいないから一気に入るぞ。」

 「は・・はいっ!」


 ちょっと楽しそうだな彼女。いや俺も楽しい。何このラブラブお風呂状態。

 いや自分で作ったんだけどさ。


 「そういえば。俺あんたの名前とか聞いてなかったな。なんか色々すまんな。」


 キョトンとした顔可愛い。というか一人用の湯舟にもほどがある。超顔が近いんだが。

 まぁ贅沢は言うまい。湯舟があるだけましだ。


 「ふふふっ。謝ってばかりですね?私はアミィ。アミィ・イルパラージュです。」

 「アミィか。可愛い名前だな。」

 「ちょ・・うぇ・・?」

 「ん?かーわーいーいー。」


 イカン。調子に乗ってしまったか?


 「ぉりがとぅございますぅ・・・。」


 なんかアニメとかで見た感じになってる。おれ爆発しそう。


 「うむ。なんで捕まっていたんだ?」

 「えっと・・・それについては少し長い話になりますがよろしいですか?」

 「たぶん大丈夫だろう。今のところこっちに向かってきている奴はいないし。

一応ここ女性専用の風呂らしいし。」

 「分かりました。」


 ゆっくり湯船につかりながら、俺が眠っている間のことを話してくれた。

 俺結構踏んだり蹴ったりだな。そんでアミィちゃんパネェ。


 「よく軍を辞める気になったね?」

 「はい!ここが勝負どころだと思いました!」

 「ギャンブルとか向いているかもな・・・。その思い切りの良さ。」

 「よく言われます!」

 「それと、シャトルに他に乗っていたロペさんだっけ?その人は?」

 「分かりません。一緒に捕まったと思っていたのですが、先ほどの牢屋にはいませんでした。」

 「んー。なんか話を聞く限りじゃ、すごい人みたいだし、大丈夫そうだけど・・・。」

 「はい。私もそう思います。詳しい話はまた本人に会ったときにでも。」

 「そうね。というかそれよりも。もっと大事なことが。」

 「はい?」

 「そのロペ大尉?元大尉?は俺の奥さんなの?何で?いつの間に?」

 「あなたの眠っている間に・・・です。それが一番早くあなたを軍から離す

方法だったのでしょう。邪険に扱わないで上げてくださいね?」

 「お・おう。ちなみにその娘は可愛いのか?」

 「可愛い…そうですね。綺麗と両方兼ね備えているといった感じでしょうか。」

 「おー。」

 「むーぅ。私だってそれなりに・・・その・・・。」

 「気にすんな可愛いから。」

 「はいっ。」

 

 やぁーころころと表情が変わって可愛いなぁ。

 

 「会うのが楽しみだな。そろそろ出るか?」

 「はい!」


 脱衣所に突然現れたのは、先ほど着替えの調達に行っていたうちの一人、一番ゴツイ奴だな。

 近くで見るとデカいな。・・・ん?フラフラしてるなこいつ。病気か?

 

 「ドウゾ」


 差し出された着替えは真新しい服で、なんか海賊が着るようなものではないなこれ。

 アミィちゃんに出された服も、おおよそ海賊の着るような服ではない。

 フリッフリヒラッヒラだ。そして妙にあったかい。


 「温めておきました。」

 「余計なことせんでええわ!」

 「なんだかあったかいです・・・。」

 「にしてもこの服どっから調達してきたんだ?」

 「ハッ。先日捕らえた捕虜の荷物から持って参りました。」

 「ほ・ほりょ?」


 結構捕まっている人が沢山いるのかもしれないな。


 「その捕虜は今どこに?」

 「ハッ。現在2Fの奥の労に監禁中です。」

 「あーなるほど。奥があったのね。」


 よし。助けに行くぞ。なんか良い事あるかもしれんし。


 「アミィちゃんえっと。」

 「助けに行くんですね?なんとなく分かっちゃいました。行きましょう。」

 「さんきゅ。じゃあその前に近くに倉庫があるから、そこにガサ入れだ。」

 「了解であります。」

 

 アミィちゃんテンション上がってきてるな。よし。


 「じゃあいこか」


 風呂より船尾方向に少し歩くと、搬入用と思われる大きな倉庫があった。


 「広い倉庫だなー。」


 奥が見えないなこれ。というか暗い。

 ナノマシン先生電気つけて。


警告。艦内のエネルギー残量に深刻な問題が発生しています。

現在の貯蔵エネルギー2%


 少ないなおい!何とかならんのか?


備蓄エネルギー。又は予備エネルギーに接続を切り替えることで

問題は解決可能です。


 あ、なんだ。大丈夫じゃん。


艦内備蓄のエネルギータンク無し。

予備エネルギータンクが確認できません。


 あかんやん! 

 何か代わりになるようなものはないのか?


ありません。


 大ピンチじゃねーか!あ。あ。俺は大丈夫なのか

いやいやいや。アミィちゃん死んじゃうじゃん!


 ナノマシン先生、この状況の打開策は何かないか?


ーーーーー


A_1早急に舵を切り最寄りのコロニーに向けて全エネルギーを使いエンジンを回す。


A_2一人で外に出る。


A_3倉庫の中のシャトルで脱出。


 おっ?けっこう安パイがあるじゃん?

 よし、1と3だ。両方やるぞ。


シャトルを目指すために大型ハッチを開く必要があります。

そのハッチを開くエネルギーが0.3%を切りエンジンを動かせなくなります。


 ええい。もっと柔軟な発想をしないか先生!

 艦体は向きさえ合っててちょっと動けばいいんだ。ハッチは俺がこじ開けれるだろ?

 無理?


A_可能です。


 よし。それでいこう。今すぐ他からのコントロールを受け付けないようにロックだ!


了解ロックしました。


 シャトルのエネルギー残量は分かるか?


エネルギー残量およそ70%


 十分・・?か?


最寄りのコロニーまで向かうだけならギリギリ足りる残量です。


 ならいい。二手に分かれてやった方がいいか?


その案は否定します。

海賊と遭遇した場合現状では、アミィが死にます。


 会わないようにできないか?


不可能ではありませんが監視の為のエネルギーが足りません。


 人質を解放してシャトルまで連れていく。

 艦橋まで行く。こんなとこか。


マスター。コントロールは艦橋まで行かずともできますが。


 女の子一人残ってたろう?拾っていこうぜ?


おすすめはできません100%戦闘になると思われます。


 ぐぬぬ。しかしだな・・・。


くいっくいっ


 ん?アミィちゃん?


ーーーーー


 「あの?どうなさったのですか?」

 「ああ、大丈夫。大丈夫。どうした?」

 「あのシャトルの横にあるコンテナなんですが。少し発光しているように見えましたので。」

 「発光?確かに。」


 なんか淡いブルーの光が見えるな・・・。

 ナノマシン先生?


ーーーーー


判別不能。

未知の力場を感知。

接触非推奨。


ーーーーー


 なんと・・・いや行くしかあるまいよ!


 「ちょっと待ってて見てくる。」

 「は、はい。お気をつけて。」


 何だこれコンテナから光が漏れているな。

 電子ロック?先生解除できるだろ?


ーーーーー


了解。マスター息を


 ああそれでいいのか。


解除しました。


 はやいなっ。


ーーーーー


ガゴッ

ぎぃぃぃぃ


 嫌な音だなぁこれ・・・。

 何だこりゃ台座の上に・・・なんか箱みたいなものが浮いている。

 触っても大丈夫か?先生?


ーーーーー


未知の反応を検知。

解析開始。



解析完了。

この箱は、純ウルテニウム製で

箱の内側に魔導回路による紋章結解が形成されています。

内部に反応なし。空ですが、何かを入れるための物のようです。


収得推奨。

純ウルテニウムは時価にしてグラム一億クレジットはくだらないものです。

箱の質量から換算しておよそ二百億クレジットにはなるでしょう。


ーーーーー


 「ゲーーーット!」


 もう離さない。お前は俺のもんだ!

 しかしこのまま持ち歩いてもいいものか?先生?


ーーーーー


物体を収納可能な位相閉鎖空間を形成しました。

思念波によって物体を別空間に収納可能です。


 万能かっ!?なんでも入るのか?


A_、マスターの認識可能なものであればおおよそは可能


 生き物も?


A_入りますが生命活動が停止します。


 出した時に元に戻らないの?


A_その機能を追加することは禁止されています。


 できないことはないのかぁ。

 じゃない!

 すげーな収納。アイテムボックスみたいだ。

 ちょっとラノベじみてきて楽しいなぁ。

 禁止されているか・・・。誰に?


A_BEROPE35426によって機能が制限されています。


 でも生物が入らないだけか。・・・?

 ナノマシン先生。収納の内部で死なせないことは可能なのかい?


A_可能です。ナノマシンに夜生命維持が可能。

 仮死状態にして収納可能です。


 はい裏技キター。

 いざというときは頼む。


了解。対象は端末ナノマシンを受け入れた者のみです。


 アミィちゃんはできるか。よし。



ーーーーー


 とかのんびり質問タイムしている場合じゃないな。


 「誰かいますか!」


 !!おっほ!


 「返事をしてください!」


 ん?この声聞き覚えがあるな。


 「にゃーん」


 アミィちゃーーーん!

 なにやってんだぁ!


 「なんだぁ。ねこさんかぁ・・・。」


 ん?


 「あ・・?あれ!?コンテナがあいてる!」


 やばっ。アミィちゃん発見。隠れてて!隠れててっ!

 ストップストップ来なくていいから!

 今そこから出たらみつか・・・ぁ。


ゴッ

 

 「「アイタ―――ッ!!」」


 うわぁモロ入った、あれは痛いぞ・・・。

 ったくどじっ娘め・・・。


 「二人とも大丈夫か?あぁあぁ。たんこぶが・・・。」


 まぁ、こぶだけだし撫でときゃ治るだろ。


 「よーしよーし。痛いの痛いの飛んでけー。」

 「あの。」

 「えへへぇ。」


 二人ともさらさらヘアー気持ちいな。撫で心地がいい。


 「あのっ!誰ですかあなた達は!」

 「ああ失礼しました。私雨宮と申しまして家電の・・・じゃない。

雨宮。雨宮銀河だ!」

 「えっ!これはどうもご丁寧に私は、イント・ジャーマンスープレックスイオタ・レックスと申します。」


 ジャーマン・・・。

 そして長・・・。

 

 「お、おう。よろしく。」

 「いえいえこちらこそ、じゃなくて。」


 何だこの呼吸にこっちを見てウルウルしだしたぞ?


ーーーーー


イント・ジャーマンスープレックスイオタ・レックスが

仲間になりたそうにこちらを見ている。


ーーーーー


 違うだろ!


 「な・なにかな?」

 「雨宮銀河さん。私に覚えはありませんか?」

 「ないけど・・・?ナンパか?」

 「違います私ですイントエと言えばお判りいただけますか?」

 「いんとえ・・・。!あぁ!あの時のぉ・・・?いやあの時の人は男の人だったはず。」

 「はい。その節はご迷惑をおかけしました。おかげさまで私も転生に成功しまして。

こうやってお会いできました。つかぬことをお伺いしますが、上級管理者BEROPE35426にはお会いになられましたか?」

 「ん?誰のことだソレ?」

 「皆さんが痴女痴女言っていた方ですよ!」

 「いやー。あってない・・・よ?結構長いこと寝ていたみたいだから

その間にあっていたらどうかわからないけど・・・。君みたいに転生しているのか?」

 「はい。ロペ・キャッシュマンと名乗っているはずです。」

 「あの・・・私はその名前を知っている・・・と思います。」

 「アミィちゃん?知り合い?痴女の。」

 「痴女かどうかは知りませんが、私と同期で軍に入った武官が同じ名前でした。」

 「ああそれですソレ。間違いないですね。」

 「名前だけさっき聞いたけど、会ったことは・・・。」

 「眠っている間に会っていますよ。今どこにいるかはわかりませんが。」

 「雨宮さん。検索できませんか?この船に連れてこられた時には居たんです。」

 「やってみる。」


 先生頼む。


ーーーーー


了解。船外も含めて検索します。

検索完了。シャトル内にて睡眠中。


ーーーーー


 「すぐソコに居るんかい!」

 「わっ!」

 「ああすまん二人とも。シャトルの中に居るんだとよ。」

 「そういえばシャトルの中は見ていませんでしたね。」

 「でもほっとこう。」

 「「いいのですか?」」

 「捕虜救出が先かな?」

 「分かりました案内します。」

 「さっと行くか。」

 

ーーーーー


戦艦『コバヤシ』2F牢屋


 この奥か。暗くて見えなかったな・・・。


 「奴隷になった人たちもここに居ます。一緒に助けてしまいましょう!」

 「お・おう。」


 いんとえさんってこんな感じだったけ?なんかもっと人を食ったような感じだったような気が。


 「狭いなやっぱり。」

 「そして臭いですね・・・」

 「空調が止まっているからな・・・。時間切れは結構早いぞ・・・。」

 「私は一番奥の、捕虜の方の牢を開けてきます!」

 「よしじゃああれは近くの牢を。」

 「あ、キーを・・・。」


バキバキバキッ

 

 開いた開いた。ん?あれ?奴隷か?なんでそんなに壁際まで下がるのかな?


 「えー・・・・?」

 「私はもう驚きませんよ?」

 「キー・・・。」


 ん?なんかイントちゃんがしょんぼりしてる。


 「さぁ、脱出しようぜ!」

 「こっちくるなーぁ!」

 「お嬢様!私の後ろに!」

 「やだー!殺さないで―!」

 「貴様―私を殺してどうするつもりだぁ!」

 「ベン・・・私を守って・・・・。」


 なに?俺魔王みたいになってるんだけど。


 「助けに来たんだけど・・・。」

 「あっちにイケー!」


 ぐぬぬ!うんこ投げてきやがった!このやろぅ・・・。


 「皆さん落ち着いてください、私たちはここから脱出するすべがあります。

時間がないのです。すぐこちらに来てください。行きましょうダーリン。」


 えっ?行っちゃうの?いいの?


 「さぁ行きましょう早くここを離れなくては・・・。」


ビィーーッビィーーーッ


 「なんだ!」


ーーーーー


報告。手動の警戒用非常警報です。

アナログ制御のためこちらでコントロールできませんでした。


ーーーーー


 アナログぅ!?仕方ない!

 「死にたい奴は残れよ!俺は逃げる!行くぞアミィちゃん!」

 「はいっ!」


ーーーーー


倉庫兼ドック


 先生すぐにシャトルは動くのか!?


A_BEROPE35426もとい、ロペ・キャッシュマンが既に発信準備を整えている模様。


 よし。ちょっとトラウマだが・・・、やるっきゃないか!


ーーーーー


 「イントちゃんアミィちゃん来た奴だけ連れて、先に乗り込んで!」

 「雨宮さんはどうするのですか!」

 「多分もうさっきの警報のせいで、ハッチが開かないはずだ!俺がこじ開けるからすぐ発進するんだ!」

 「そんな無茶な!」「無理ですよそんなこと!」

 「大丈夫!俺宇宙空間でも死なないから!」

 「あ・・・」「えー・・?」

 「ほれはよ!」


パンッパンッ


 「きゃっ!」「ひゃぁ!」


 いいスパンキング具合だ!


 「ちゃんと追いついてくださいね!」


 よし!さぁて・・・。


 「あそこです!侵入者です!」

 「なにっ!」


 あ?なんだあいつ?奴隷の中には居なかった奴だな?

 

 「おうおうおう!いい度胸してるじゃねーか!一人で向かってくるってのはよぉ!」

 「うっせ―!馬糞ヤロー!」

 「何だとコノヤロー!」


 ったく・・・。とりあえず教えて先生だっ。


ーーーーー


A_もう殺ってしまいましょう


ーーーーー


 それしかないか・・・。

 

 「オイそこの人種!こいつを助けに来たんだろう!動くと殺しちまうぜ?」


 ん?誰だ?さっきの奴隷か・・?んーー?暗くてよく見えないな・・・。


カッ


 おわ!まぶしっ!懐中電灯か!・・・んんんん・・・・?

 んんんんんんんんんんんんんーーーー!

 

 「あの娘超可愛いどストライク!」

 「訳わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ!」

 「こいつがどうなってもいいのか!」

 

 いいわけねぇ!ぐぬぬ!


 「私にかまわず!行ってください!お嬢様を!あっ!」


ドサッ


 「うるせーんだよこのくそアマ!」


 あっ、離れた。チャーンス!


 「っしゃあああああああ」

 

 人類最強の必殺技を!お見舞いしてやるぜ!


 「たいあたりだぁああああああ!」


バチュッ


 ふっ、決まったぜ。さておじゃうさん行きませう。


 「あわわわわ・・・」

 「とりあえず行きましょうか。」


 しっかりお姫様抱っこして幸せ感覚・・・。

 なんか凄い顔で見られてるけど今は置いとこうか・・・。ぐすん。


 「彼女をよろしくっ」

 「任されました!ってえええええええ!血!チィィィ血だらけじゃないですかぁ!」


 はっ?血だらけ?ってうわぁ・・・。そりゃああんな顔にもなるわな・・・。

 血みどろでぐっちゃぐちゃじゃん俺。


 まぁいいか。


 「ハッチ締めろー!ドック開けるぞー!」


うぃんうぃんうぃん

かしゃん


 よし。これで晴れて脱出・・・


パーン

パーン


 イって!なんだ!すげー痛かったぞ!


 「ばかな・・・この世界は一体どうなっていると言うんだ・・・。」

 「馬鹿はテメーだ!」


 とりあえずそこららにあるものを、引っ掴んで投げてしまったら

 なんか反対側の壁が抜けてなくなってしまったぞ?この体スゲー!

 なんつーパワーだ。

 とりあえず、跡形もなくなったみたいだし、もういいか。

 だっしゅつだっしゅつ!


 さて・・・どうやって開けるか・・・。


 隙間なんかないわな・・・。だが。

 ないなら作ればいい!


ズボッ

メキメキメキッ


 このシャッターみたいなのに指ぶっさしてぇ・・・。

 上げる!


 「どっせーーーーーーい!」


べきゃぁ!


 いい仕事した。今俺最強にカッコイイ。

 おーシャトル飛んで行ったなー。

・・・・・・・。ま・まってーーーーーー!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「イント・ロが死にました」

 「なんだと・・・?だがまぁあいつはただの紛い物だ。」

 「原因を調査中ですが、究明は困難かと。」

 「ほっておけ。ほかにもやる事があるだろう。」

 「ハッこの世界のBEROPE35426の捜索を継続します。」

 「いい報告を待っている」



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