番外食 手作りチョコレート
今思えば……今日はバレンタイン……全く何も考えてなかった。現在の時間は9時…外はこんな日にもかかわらず雪が降っている。というかその雪のおかげでバレンタインということを忘れていたのかもしれない。
「チョコ作ろ!作ってアスタにあげよう!」
特に彼氏とかいないわけだし、友チョコ作ってアスタにあげようと考えていた。
「チョコ作るのいつぶりかな?」
どんなチョコを作ろう…アスタは確か少し苦めの味が好きだっけ。家にあるものは……ココアパウダーだけ…主役のチョコがない…買ってこよ…
ー数十分後ー
ふぃ~…ほんとに雪ん中滑りそうになったりでほんと災難…さぁて、材料と念のための型を買ったから大丈夫!とりあえず、チョコをレンジで溶かして型に入れよう!
ー数分後ー
後は冷やすだけだね!星形とシンプルな六角形にハート形!溶かしたチョコにココアパウダーを少し入れてあるから良い味は出るかも!後は一度冷やし固めて、その上からチョコペンとかで色づけしてまた冷やせば完成!これは楽しみ♪
ーアスタの家ー
「スイーツならあたしの出番!!」
バレンタイン…それこそ女子が男子にチョコをあげて思いを伝える時間…だが言っておく、あたしには彼氏がいない!!……とまぁそれはさておき…アイツ(ミルケ)に手作りのチョコでもあげようか。もちろん友チョコとして。
「どういうの作ろうか…」
アイツは確か甘々のチョコが好きだったっけ?だとしたらチョコカップケーキとかがいい気がする…チョコ作り…というよりかはチョコを使ったスイーツだ。まぁ最近は普通にあるし、問題はないか……
ー数十分後ー
レンジで焼き上げれば完成!カップケーキなんて二回目だが、我ながら上手く出来た!さて、アイツに渡しに行くか。
ブゥゥゥン…ブゥゥゥン……
携帯が鳴ってる…電話だ。しかもミルケからの。
「もしもし?」
『あ、ねぇねぇ!これからさ、渡したいものがあるんだけど、私の家の近くの公園に来てくれない?』
「はいはい…分かったわよ。」
渡したいもの?だとすればアイツもチョコを?いやないか。チョコの代わりにまた食べきれなかった料理をあげてくるに違いない。とりあえず、ついでにカップケーキ渡しに行くか…
ー公園ー
あたしとミルケが小さい頃よく遊んでいた公園…いつ見ても昔と変わらない公園のベンチにミルケはいた。
「そんで、渡したいものって何?」
「はいこれっ。」
可愛らしいピンクの袋に包まれたもの…言われなくても一瞬で分かった。
「私の手作りチョコだよ!」
「いや言われなくても分かるわよ!」
てっきり料理の残りを渡してくるかと思った自分が恥ずかしい……
「これっ、私から。」
「アスタも作ってくれたんだ!ありがとう!」
あたしの手作りカップケーキを喜んで受け取ってくれたことに、少し誇らしい気持ちになった。
「ねぇ…小さい頃もここでチョコを渡したの覚えてる?」
「えっと…まぁ覚えてるけど…」
「その時に私がアスタにしたことも覚えてる?」
「それは覚えてない。」
「それはね……」
あたしの頬に触れた優しい感触……それはミルケの唇だった。あたしは無意識のうちに、ミルケに頬をキスされていた……
「ほら、思い出した?」
思い出した…確か7歳ぐらいの時にも頬にキスをされていたような……
「うっ…あんたの大胆な行為のおかげで少し思い出したわよ……」
顔を赤らめたままのあたしをよそに、ミルケは続けた。
「なんなら、もう1回やってあげよっか?」
「ばっ、ばかっ!2回もやらないわよ!」
「アスタ顔赤くしちゃってー!」
「う、うるさいっ!」
しばらく想い出話した後にミルケと別れた。こんな日、また来年来るのかな…
「アスター!カップケーキありがとうねー!」
「そっちこそー!チョコありがとう!」
久々にアイツに全力の笑顔を見せたかもしれない。明日になればまたアイツは食べに行く。いつもの日常に戻る時だ。
番外食・完。
次回予告
夜の定番店で至福のひとときを頂きます!
「塩気がきいてこれはジューシー!」
ミルケはお酒が苦手なのでジュースです。
第4食「居酒屋の定番焼き鳥」
ミルケと作者のグルメ記録!!
「さぁ、初の番外編いかがだったでしょうか?」
「皆はチョコを貰ったのかな?」
「作者さんはチョコ貰えたんですか?」
「俺、貰ってない。」
「あら…今年は貰えなかったんですね。」
「今年どころか毎年だよ!」
「まぁまぁ、いつか貰える時が来ますって。さて、次回は夜の定番、居酒屋で私が焼き鳥を頂きます!ではまた次回のコーナーでお会いしましょう!バイバイっ!!」
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