第4食 居酒屋の定番焼き鳥

私は飢えていた。とてつもなく…大きく飢えていた…今食べたい…どうしても…あれが!!

「とり…にく…」

こんなにもよだれが出るほど食べたくなったのはいつぶりかな?いや最近良くあるか。とにかく今は鶏肉が食べたい…!だけど鶏肉の料理っていっぱいあるから迷う!どうすればいいんだぁ…

「チキンカツ…フライドチキン…コトレッタ…」

あー!どうもこうも何で揚げ物ばっかかな!?もっと蒸すとか焼くとか……ん?待てよ…焼く…鳥……

「そうだ!焼鳥だ!!」

何で思いつかなかったんだろう…鶏肉は揚げるイメージが多いからか?まぁそんなことはいいや!早速口コミで見てみよう!


ー数分後ー


「なるほどなるほど…東京の隅田川辺りにある居酒屋ねぇ…」

どうやら美味い焼鳥は隅田の居酒屋「ゆめみず」というところにあるみたい!私、居酒屋そんなに行ったことないけど…美味いもののためなら何処へでも行く!!それが私だから!!


ー居酒屋ゆめみずー


「…っと。」

もう日本の時間は夜の8時過ぎ…それこそ居酒屋に人が集まる時間帯…混んでないことを祈る…

ガラガラ…

横に開くこの扉の感じ…そして入った瞬間に様々な匂いが飛び交う…良い意味で。空いていた座敷の席に座り、メニュー表を見る。基本的にお酒のつまみ系が多い。そもそも私はお酒苦手だから飲まないんだけど…とりあえずお目当ての「居酒屋の定番焼鳥」とりんごジュースを注文しよう。


ー数分後ー


店員「お待たせしました。定番焼鳥です。」

この料理が来た瞬間に漂うこの炭火の匂い!今までに匂っていた香りを忘れさせるほどの勢い!これが炭火焼鳥ということなのか?本数は三本…今回は塩味を頼んだ。塩のもも、ひな、かわ…どれも焼鳥のザ・定番といった感じかな。まず最初にももから頂く…

はぐっ…

……流石。焼鳥の定番中の定番だけのことはある!もものこの柔らかさといい、絶妙な塩加減といい、正しく今自分が欲していた味!!塩と炭火のおかげで鶏肉のジューシーなこと!!次は、かわを頂こう…

モグモグ…

なるほど!かわは噛めば噛むほど味が出る!なんというか…ももとはまた違う柔らかさがある!!

「…ぷはぁ~…」

ここでりんごジュースを飲む…最高だ…私がお酒飲めたら確実に失神してたかも…焼鳥だけでもこんなに美味しいんだから!

「最後はひなか…」

はぐっ…

ひなは少し固めの歯応えがある感じで美味い!!ももとは違う塩の相性がバツグン!!こんなにジューシーな焼鳥は今までに食べたことはない!!


ー完食ー


「ごちそうさまでした。」

私が食べ終わった後でも、店の雰囲気は変わらない。みんなが楽しそうに会話を交わしながらお酒を飲んだり、つまみを食べている…流石は東京の夜って感じだな…


ー店の外ー


何かレジで口直しの飴貰った…色的にレモン味っぽい…

「さーて…帰るか。」

「東京の夜は危ないんだからね!」

あれ!?アスタ!?いつの間に来てたの!?

「大丈夫だよ!だって店でナンパとかされてないし!」

「いやこれから会うかもしれないってことよ!」

「まぁまぁそんな怒らないで。ほいっ!」

パスッ……

「……何これ?」

「それお土産の飴!さっきレジで貰った!」

「はぁ!?これお土産!?」

「だってアスタお菓子好きじゃん。」

「そりゃそうだけど…」

「あ!見てアスタ!スカイツリーが光ってる!」

一度行ってみたいスカイツリーが綺麗な夜空をイルミネーションで照らしていた。まるで都市自体が眠ってないようにも見えた…

「凄い…!スカイツリーってこんなに綺麗だったんだ…」

「ねぇ!いつかスカイツリー行ってみない?生きてるうちに!」

「生きてるうちにって…悪魔と天使は100歳以上まで生きるんだからね!そりゃ生きてるうちに行けるに決まってるでしょ!」

アスタのいつもの突っ込みを受けて、私はこの夜空の下を歩き始めた。

続く。



次回予告

ミルケが男子高校生とぶつかり!?

「すみません!お怪我は…?」

ミルケに恋!?

「(あの人…綺麗だったな…)」

ミルケが行く先は男子高校生が教えてくれた店!?

「ここがあの子の教えてくれた店…」

次回「ふんわりオムレツ」



作者の物語設定Q&Aのコーナー!

※ミルケと作者のグルメ記録!はしばらくお休みします。


Q:この物語の天使と悪魔ってどんな関係?

A:普通に友好関係的な感じです。敵対とかもしていませんし、天使と悪魔の夫婦とかもいます。


Q:ミルケとアスタは働いてるの?

A:働いてます。初期設定でのミルケは天使弁護士として働きながらもグルメを頂くという設定でした。タイトルも違って初期は「ミルケのグルメ法廷記録!」という名前でした。初期設定の物語としては法廷で弁論するミルケの姿もありましたが、実際に書くのが難しいということでボツになりました。ですが二人とも高収入な場所で働いていることは確かです。


Q:物語に出てくるお店は本当にあるの?

A:基本的に無いですが、モデルになった店はあります。第3食と今回の店です。第3食の寿司屋は私の亡くなった祖父の友人が経営していた寿司屋で、残念ながら現在は潰れて無くなっています。店主の性格もその友人に似せています。今回の居酒屋は横浜のみなとみらいにある居酒屋をモデルにしています。店の名前は全て自分で考えてるものです。


Q: 天使と悪魔はどこからが成人?

A:人間と同じ20歳からです。お酒もたばこも人間と同じ20歳から出来ます。ただし、結婚出来る年齢は天使と悪魔の男女共に19歳からです。


次回もまだまだ答えます!!

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