第23話 ニート、叱られる 3

「とりあえず、もう部屋に戻りなさい」


と、我輩が妹の元に行こうとしたら、

父上が初めて口を開いたのである。


我が家のトップから部屋に戻るよう促されると、

さすがの辣腕検事も引き下がるしかない。

我輩の頭を名残惜しそうに数度撫でて、妹は二階へと去ってしまった。


すると、父上は母上にも視線で合図を送る。

母上は少しばかり父上のことを見つめた後、

一つ息を吐いて、台所へと向かってしまった。


居間には、ニートと父上、そしてキュートな我輩。

非常に居座りたくはにゃいが、

義理堅い我輩のことである。

一応の遊び相手であるニートの行く末を見捨てて、

どこかに行ってしまうほど、ネコを捨てていないのである。

(ネコほど手のひら返しが似合う生き物はいにゃいのだ)


我輩は仕方なく、

元いたニートの近くに腰を下ろすことになる。


さてさて、どうしたものか。

どうやら、本日の判決が決まるらしい。


「やべえ…やべえ…」


隣からブツブツと聞こえて来るのは、

この際、聞かなかったことにするのが良いであろう。

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