Arrivals ご旅行を終えて
Day25 終わらない旅
皆さまと楽しく過ごしてまいりました『
毎日のように寄せてくださる皆さまのご感想やご意見、本当にありがとうございました。楽しく、または感慨深く伺い、ときにはホロリとさせられ、新しい気づきの連続でした。どれも有難く拝読しました。千年前の思考回路が理解不能なことや、逆に今でも共感できることなど、いろいろな想いも聞かせていただけました。またワタシからの問いかけにも答えていただきとっても嬉しかったです。
大事件の連続の源氏物語第二部でした。どのトリップにもご意見やご感想を寄せていただきましたが、一番反響が多かったのは「優等生夕霧くんの反乱?」でしょうか。第1弾ツアーで皆さまから祝福いただいた「幼なじみ婚」から10年。一夫多妻が認められているとはいえ、初恋の君にして正室の雲居の雁ちゃんを傷つけての女二宮さんとの結婚でした。皆さま思いとどまるよう説得してくださったのに……。
「夕霧、おまえもか」
タメイキとともに何人の方がこうつぶやかれたことでしょう。
それからやはり柏木の「密通事件」ですね。現代の感覚ではまったく理解ができません。「禁断の恋」うんぬんの前に刑事事件です。女三宮は同意もなにもしていないのですから。好きな相手を困らせて傷つけて泣かせて……、一体何がしたいんだと言いたいですよね。「
そして源ちゃん。柏木と女三宮の件ではイヤミたらたらパワハラ親父。夕霧には一体どの口が言うんだか「浮気はすんなよ」発言。冷泉帝とは月を眺めてしみじみ隠れ父子の語らい。そして最愛の紫の上を亡くしてからの壮絶な悲しみと後悔。
やれやれ、と皆さまからの苦笑が聞こえてくるようです。「アホか」「バカか」何人の方から何回言われたことでしょう。ハリセンが大活躍でしたね。まあ? 人間くさいと言えばそうなのですけれどね。とにもかくにも超絶ハイスペックイケメンの波乱怒涛の生涯でしたね。ひとの何倍もの人生を味わい駆け抜けました。
夕霧、柏木、源氏。平安男子、何やってんのよ、ひとりくらい中身イケメンはおらんのかい? と言いたくなりますね。
対してコメントくださる平成男子の皆さまの優しさには感動しています。タイムトリップのついでに平安オトコへの道徳教育をお願いしたいくらいです。平成女子の皆さまもぜひ忌憚ないご意見を平安オトコにご教授くださいませ。
そして紫の上を始めとする平安女子の哀しみには多くの方が同情してくださいました。一夫多妻なんて女子にとって悲しくて辛いに決まってます。たとえ後継者問題があったにせよ、心は簡単には割り切れません。この頃の思想として「女たるもの耐え忍ぶべき」なんてされていますが、なんでよ? どうしてよ? どうして女が幸せになっちゃいけないの? 男子は女子が悲しんでいてそれでいいの? 次から次へとギモンが湧いてきます。
平安オトコへの訓示のあとに平安レディのお見舞いにも立ち寄りましょうね。お気に入りの女性キャラは誰でしたか?
物語の内容以外では作家紫式部センセイの素晴らしさや偉大さについてのコメントも多数いただきました。同じようなエピソードのリフレイン、反対にエピソードやキャラクターの対比、和歌での心情描写、そして紫の上の最期の描写の少なさに源氏の最期のまさかの本文無し。千年経っていてもその構成や表現方法には驚かされますね。
源氏物語の登場人物は430人ほどいるそうです。4人の帝の御代70年に渡る大河ドラマ。今回のツアーで源氏の生涯52年分が終わりました。
第2弾ツアーでご紹介したのは源氏物語の第二部でした。三十四帖若菜上から四十一帖幻までの主な登場人物をざっくりまとめてみますね。
朱雀院 源氏の兄。出家の際に娘の女三宮を源氏に嫁がせる。
紫の上 誰もが認める源氏がイチバン愛しているオクサマ。六条院春の御殿主。源氏に翻弄され傷つけられ、それでも添い遂げる。故人。
女三宮 朱雀院の三女。源氏に嫁ぎ正室となるが、柏木と関係を持ってしまい薫を出産。その後出家。
朧月夜 源氏の元恋人、朱雀院の寵妃。源氏とも復縁。その後朱雀院の後を追って出家。
六条御息所 源氏が若い頃つきあったセレブ未亡人。故人。怨霊となって紫の上や女三宮を呪う。
花散里 夕霧や玉鬘の母親代わりを頼むなど源氏の信頼大。六条院夏の御殿主。
明石の御方 明石中宮の実の母親。六条院冬の御殿主。明石中宮や皇子たちを後見。
冷泉帝 源氏と藤壺の宮の子。影ながら源氏を父と慕う。
夕霧 源氏と葵の上の子。初恋の雲居の雁と結婚するが柏木の未亡人とも結婚。
雲居の雁 頭中将の娘。幼なじみの夕霧と結婚するも夕霧の恋愛沙汰で別居中。
明石中宮 源氏と明石の君の子。紫の上に育てられ入内。皇子や内親王を産む。中宮となる。
玉鬘 頭中将と夕顔の子。源氏の養女。髭黒大将夫人。
柏木 頭中将の長男。女三宮と密通し、罪の意識から病に倒れ死去。
女二宮 朱雀院の二女。柏木の未亡人。夕霧と再婚。
匂宮 明石中宮の三男。祖母の紫の上に可愛がられる。
薫 柏木と女三宮の不義の子。表向きは源氏の二男。
光源氏 愛に飢え、愛を求め続けた愛の放浪者。故人。
まだまだ物語は続きます。源氏の生涯はここまでですが、第三部四十二帖【匂兵部卿】から五十四帖【夢浮橋】までは源氏の子孫、薫と匂宮の物語です。いわゆる「宇治十帖」と言われる部分ですね。
本格的に『源氏物語』を楽しみたい方はぜひ有名作家さま方の現代語訳や原文へもお出かけになってみてください。
大和和紀先生の漫画『あさきゆめみし』も素晴らしいです。小説がヴィジュアル化され、より魅力的な『源氏物語』が堪能できます。御殿や儀式の様子や衣装の見事さなどもとてもよくわかります。もちろん源ちゃんはじめ美男美女も鑑賞できますしね。源ちゃんのラブシーンも美しくてツッこむのを忘れてしまいそうです。ついうっかりうっとりしてしまいます。
また、ここカクヨムにも他の作者さまによる源氏物語関連の素晴らしい作品がたくさんあります。お気に入りの作品を見つけてくださいね。
それから、もしよろしければ転載元の『【超訳】源氏物語 〜 いつのことだったかしら? 〜』『【別冊】源氏物語 〜 俺はいつだって本気だぜ? 〜』などにもいらしてください。
ちなみに『源氏物語』パロディ小説、『げんこいっ! 〜 源氏ア・ラ・モード 恋クリーム仕立て〜』も書いています。
第1弾ツアーに引き続き第2弾ツアーに参加くださった方
今回のツアーで初めてお会いした方
遠巻きにツアーを眺めてくださる方
いつも温かく見守ってくださる方
旅の感想をお聞かせくださる方
ツアーを楽しくわいわいと盛り上げてくださる方
作者の憤慨に共感くださる方
新しい気づきを教えてくださる方
作者の問いかけに丁寧に答えてくださる方
このトリップを楽しんでくださる方
そして今これをお読みくださる方
このツアーを作ってくださったのは参加してくださった皆さま全員です。
すべての皆さまに感謝申し上げます。
どうもありがとうございます。
皆さまのおかげでとっても賑やかな25日間の『源氏物語』ツアーでした。
恒例の集合写真でも撮りましょうか。
並んでくださいね。いきますよ。
さて、ご参加いただきました本ツアーはこちらで到着となります。お気をつけてお帰りくださいね。そう、事故なく、ケガなく、元気よく。玄関のドアを開けるまでが旅行、ご存知ですよね?
皆さまの笑顔とちょっぴり話したくなるトピックスがお手土産です。忘れ物はありませんか?
それから、せっかくのご縁です。このツアーで出会うことのできた皆さまとこれからも楽しいお付き合いができたらなと思っています。もちろん皆さま同士もです。
暑い中での旅行でした。お疲れ様でした。ゆっくり休養なさってくださいね。温泉にでも行って疲れを癒します? え? ツアーの打ち上げ? 源ちゃんをネタに宴会?? なにやら大いに盛り上がりそうですね。
さて温泉はさておき、第三部の源氏物語の超訳とエッセイ(別冊)を書き進めましたら、再度ツアーのご案内をさせてくださいね。次回が最終ツアーとなるかと思われます。恐らくね。
だからまた『源氏物語』に行こうね!
25日間のお付き合いありがとうございました。
心からの感謝をこめて。
またの機会にお会いできる日を楽しみにしています。
2018年夏
桜井今日子
✈︎✈︎✈︎
✨明日の行先
皆さまの果てなく明るく楽しい未来
まだまだまだまだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます