Day24 📖🔖【雲隠】我らが源ちゃん、永遠なれ

 おはようございます。今日も源ちゃんツアーにお集まりいただきありがとうございます。今日のタイムトリップが第2弾ツアーの最後のご案内になります。朱雀院の出家から始まった源氏物語第二部のラストです。思えば波乱怒涛の第二部でしたね。


 源氏と女三宮の結婚、源氏と朧月夜の復縁、紫の上の病、柏木と女三宮の密通、女三宮の懐妊、柏木の死、女三宮の出産(薫の誕生)、夕霧と女二宮の結婚、夕霧と雲居の雁の別居、紫の上の死……。


 フィクションとはいえよくここまでドラマティックにしたなぁと思ってしまいます。誰かが想いを遂げれば誰かが傷つく。誰かが喜びを感じれば誰かが哀しむ。なんとも深い物語ですが、ここでひとまず区切りです。


 ただ皆さまとの楽しいツアーがまもなく終わってしまうのが寂しいです。なんとか寄り道でもできればいいのですけれどね。

 さあ、第2弾ツアー最後のタイムトリップに出かけましょうね。皆さんでお声がけしましょうか。それっ!


『源氏物語』に行こっ!


 

 ✈︎✈︎✈︎

【超訳】源氏物語 episode41extra 衝撃の演出     雲隠

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881684388/episodes/1177354054883064404


【雲隠】雲隠

 源氏 52歳 


 本文なし。



 ◇第四十一帖【幻】ののち、源氏は出家をして山にこもり数年後に亡くなったようです。絢爛豪華、波乱万丈な源氏の生涯でした。



 【雲隠】


 ※この【雲隠】は本文がないので、近年は54帖のうちのひとつとしてはカウントしないようです。(代わりに【若菜】を上下に分けて54巻と数えています)ただタイトルだけで源氏の死を表現するという想定外の演出をご紹介したくて、episode41extraとして公開をいたしました。(本文が紛失した、または後の世に追加されたという説もあるそうです)





【別冊】源氏物語 topics36 現世は泡沫の夢

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054885628529


 ね、親愛なる光る君。

 あなたの生涯はいかがでしたか?


 愛に恵まれ、愛し愛され、

 愛を奪い、奪われ、

 愛に傷つき、傷つけ、

 愛に裏切られ、裏切りもして、


 何を想って瞼を閉じたのでしょう。

 誰を想って眠りについたのでしょう。


 仏道の修業を積んで目指した極楽浄土。

 待っていたのは誰でしょうか。

 憧れの人が眠ったときのように桜が咲いていますか?

 最愛の人が逝ったときのように樹々が紅葉していますか?



 生まれ変わったら……

 誰と恋に落ちますか?


 愛に満ちた人生を


 また求めることでしょうね。



 永遠に


 愛を求めることでしょうね。



 親愛なる源氏くん。いや、源ちゃん。


 誰もが見惚れてしまう整った容姿

 会う人を魅了してしまう雰囲気オーラ

 奏でる演奏でも人の心をつかみ

 詠む和歌でも人をときめかせ


 誰もがあなたに憧れて

 誰もがあなたに恋をして


 あなたは恋なしには生きられなくて

 誰かに恋していないと息ができなくて

 誰かに愛されていないと満たされなくて


 ちょっと待ってよ、また別の女子⁉️

 あっちに行ったりこっちに行ったり、いつになったら落ち着くの?

 何度後頭部をはたきに行こうと思ったことか

「だからいわんこっちゃない」と

 何度言ってやろうと思ったことか

 何度も何人も女の子をときめかせて

 何度も何人も女の子を泣かせて

「ばっかじゃないの」

 ムカつく腹立つアタマ来る


 それでも完全に見放せない


 愛に翻弄され苦悩して

 また愛に彷徨って


 そんな弱さを愛してしまうのかもしれません。

 そんな人間らしさを放っておけないのかもしれません。


 本能のおもむくままに生きたあなた

 感情のままに喜び、楽しみ、そして哀しんで


 あなたほど魅力的な男性ヒト

 なかなかいないと思います。


 千年経った今でも。

 千年前の社会とは全く違う恋愛観や家族形態の今でも。

 あなたは皆の心を掴むのだと思います。



 だからこそあなたの物語は千年ものあいだ読み手を魅了しています。



 おそらく


 これから千年先も。



 ひとりひとりの現世は泡沫の夢 

 その泡沫が連鎖して永遠へと繋がっていく


 それが源氏あなたの物語




 ✈︎✈︎✈︎


 源ちゃんが旅立ちました。源ちゃん、紫の上と巡り会えたかしら? 紫ちゃん迎えに来てくれたかしら?

 でもねぇ、同じ天国には藤壺の宮さまもいらっしゃるわねぇ。あの怨霊にまでなっちゃった六条御息所サマもおいでだわねぇ。

 源ちゃん、どうすんのかしら? またなんていう豪邸造ってみなさんと暮らすのかしら?


 紫の上の臨終シーンも源氏や紫の上の描写が最小限で読み手に想像させる余白を描いた紫センセイでしたが、源氏の最期は本文すらないという驚きの演出でした。タイトルだけで本文がないなんて。しかもこれが処女作で世界最古の小説です。紫センセイの手法には驚くことばかりですね。


 とうとう明日がツアー最終日となってしまいました。愛憎渦巻く泥沼恋愛劇に物語のメインキャラふたりの死という重いテーマの第二部でしたが、いかがでしたでしょうか。明日はざっくり第二部を振り返って第2弾ツアーのまとめとしようと思います。ここまでのお付き合い心から感謝申し上げます。明日は皆さんでゴールしましょうね。


 明日も『源氏物語』に行こう! ねっ!


第2弾源氏物語ツアー源ちゃんツアーseason2』Day24に来てくださり、どうもありがとうございます。



 ✨明日の予定

 Day25 終わらない旅

 集合時間:定刻どおり

 集合場所:カクヨム王国到着ロビー



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