Day12 🎶物忌みと方違え
皆さまこんにちは。今日も『源氏ツアー』にご参加くださりありがとうございます。
今日は平安トリビアへのトリップです。すでに公開中の【別冊】源氏物語で閲覧いただいている数が一番多いエピソードです。源氏物語に限らず、平安モノの物語を読むのにお役に立てるかな、と思います。行ってみましょうね。
それっ、『源氏物語』に行こう!
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【別冊】源氏物語 源氏の世界④物忌みと方違え
平安時代の読み物を読んでいると、ときおり出てくる単語。
「
その頃は
平安時代はまだ科学や医療も発達していなくて、病気になったり災害にあったりするのは「
だから、そういった怪現象をなるべく避けるために占いや陰陽道を使って、「物忌み」などをしていたのかな。
「物忌み」には大きく分けて3つあるの。
①方位によるもの
外出するときに、出かける先の方角がよくないとき、いったん別の方角に出かけること。これが「方違え」ね。
②暦によるもの
凶の日には、飲食や行動を慎み、家に籠り、外出しないようにしたんですって。
③臨時的なもの
今でいう喪中のように、近しい人が亡くなったとか、災害にあったとかの際にも外出を控え、来客も断ったの。悪夢を見たとか、出かける道に犬や猫の死骸があったなどという理由もあったみたい。
これらはその人その人によって結果が違うので、みんなが全員で「物忌み」をしたとかそういうことではないみたい。
そしてこの「物忌み」は帝にも存在するわけで、帝の「物忌み」となるとそれこそ宮中挙げて帝をお守りすることになるのね。
そんなときに宮中に夜通し詰めていた源氏たちがしたのが、源氏物語第2帖帚木の「雨夜の品定め」ね。(【超訳】源氏物語 episode2 男子会の恋バナ)
そして各自「物忌み」の時期も「方違え」の方向も違うので、
「ほんっとはキミのとこ行きたかったんだよ? だけどさぁ、方違えでさぁ」
なぁんていい言い訳にもできたりするわけよ。ホントの場合もあったでしょうけど。
「出社する予定だったんですが、物忌みでして……」
とまぁ会社をサボる口実にもなる。こちらも大事な要件のある日に本当に物忌みで外出できないという本当の場合ももちろんあったでしょう。
この方違えの風習を上手に利用したのが(?!)、源氏の君と空蝉のストーリー。(【超訳】源氏物語 episode2男子会の恋バナ、episode3つかみどころのないカノジョ)奥さんの葵の上のお屋敷の方向が悪くて、行ってもいい方角にあったのが、空蝉のいるお屋敷だったっていうね。
だから以前結婚するには何がなんでも3日間は女子の元へ男子は通わないといけないって話をしたけれど、きちんと陰陽道で占うわけです。3日間通えるかどうか、「物忌み」の日付はないか、「方違え」で彼女の家の方角は大丈夫か。それほどきっちり守らなければならない風習だったみたいね。
今この制度があったらタイヘンよね。会社も学校も休まないと。毎日誰かしらが「物忌み」や「方違え」。社会生活が……、成り立たないわね。
✈︎✈︎✈︎
今回ご参加のお客さまで通勤中、通学中の方、いいなぁって思った方いらっしゃいます? ダメですよ。現代では使えませんからね。
でも節分の恵方巻なんて、その年の恵方(吉となる方角)を向いて食べますよね。千年経っても「吉となる方角」という考え方が残っているんですものね。そう考えてみるとまったくの異世界のように思える平安時代ですけれど、現代まで続いている風習もあるんだな、と改めて思ったりもします。
今日も『源氏物語』Day12へのご参加ありがとうごさいます。
明日は『源氏物語』第十帖賢木の【超訳】です。これがまた……。何人かのカノジョが登場します。
明日も『源氏物語』に行こう。ね?
✨明日の予定
Day13 【賢木】ふたつの別れとアバンチュール
集合時間、集合場所:こっそり出てこられる時間、ヒミツの場所
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