住吉 良平 34

 良平が立ち上がるの見て相手が慌てて接近しようとする。

立ち上がる勢いで相手にタックルする。

殴る体勢になる前にぶつかって攻撃を回避する。

相手の残った腕の肘を思いっ切り握りつぶす。

グググっと間接が広がってピキピキと骨が割れていく振動が分かる。

ごおおおおぉぉっという叫び声が相手のヘルメットの中から響いてくる。

しゃがみ込んで相手の足首を掴んだ。

急いで立ち上がって掴んだ足を引っ張ると相手が倒れる。

そのままハンマー投げの要領で自分の体を回転させる。

相手も抵抗しようとするが両手が使えない事でうまくいかない。

止めずに全力で回り続ける。

しばらくすると頭に血が集まったのか、相手がダラリと力が抜けて無抵抗になる。

ここで決めようと思う。

最後の攻撃は決めていた。

遠心力と片腕の力全て使って上空へ投げ上げる。

競技場の天井にぶつけるつもりだった。

残念ながらあまりに天井が高すぎたので、ぶつからずにゆっくりと上昇が止まり、落下してくる。

人形がくねりながら落ちてくるようだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る