住吉 良平 30
廊下からも歓声が聞こえる。
音楽が聞こえてくる。
事前に設定した相手の入場曲だ。
歓声が聞こえる。
しばらくすると音楽が切り替わり自分の入場曲がかかった。
今回は扉はないので全力で会場に走りこむ。
会場の眩いライトと歓声で一瞬めまいに似た感覚を覚えた。
走りこむ姿勢のまま大きく飛び上がった。
歓声が一際大きくなった。
パワードスーツにアシストされた体は高く飛び上がった。
上手く制御出来なかったが空中で前転したあと着地する。
着地姿勢で溜めたあとゆっくり立ち上がって周りを見渡す。
会場が前回よりはるかに大きいせいか歓声が前回よりも小さく聞こえた。
しかし、その歓声が良平に集中しているのを感じて快感を感じる。
相手は既に指定されたスタート地点に待機している。
その手前には鉄筋や木材で作られた様々な形状のブロックがある。
昔のコロシアムの様に色々な障害物を置きたかったのだが、今回は簡単な形状で純粋に戦うところを見せることにした。
今後はテーマを決めた障害物もいいかもしれない。
中心にはちょどいい丸い金属パイプやフライパン、パイプ椅子、金属バットなどがおかれている。
これは前回同様武器として使っていいものだ。
良平も指定位置に立つ。
相手の顔もヘルメットで見えないがお互い見つめあってるのが分かった。
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