住吉 良平 25
事務所の中で良平は椅子に座って持ってきたウーロン茶を飲んでいた。
事務所の中には他に大地と百合子、それに眼鏡をかけた長身の男がいた。
「私は株式会社トップファイトの池田信二と申します。」
ニコリと笑って男が名刺を差し出す。
良平が受け取ってみると写真付きの名刺だった。
肩書は、選手プロデュース担当と書いてあった。
「これからは私が住吉さんの日程管理やファイトマネー交渉を行います。」
どうやら全て決められているらしい。
「いやぁ株式会社として運営するには色々形式がありましてね。
住吉さんが戦うのに集中出来るように竜馬さんから頼まれているんですよ。」
竜馬とはどの程度親しい関係なんだろうか?
話し方からある程度親しい関係のように感じる。
「那須さんにはパワードスーツの準備をしてもらいます。
住吉さんと打ち合わせしながら進めてください。」
大地が無言でうなずいた。
約束の時間よりも少し早く訪問し、大地達と少し話をした。
彼らのところにも信二から連絡が来ていたらしい。
やはり自分はこの二人とチームを組んで戦うようだった。
「会社立ち上げて初めての開催なので、でかい会場を確保するために今動いているところでして、恐らく1ヵ月後くらいでしょうね。
それまでにばっちり仕上げといてください。
スーツの方は会社から既に支給してあると思いますのでそれ使って下さい。
あ、改造は…好きにしてください。少なくとも今回はそこにルールを設けてないので。」
信二は嬉しそうに説明した後良平を見る。
「それじゃあ一番大事なお金の交渉したいんで、先に住吉さん、二人だけでカフェにでも行きましょうか。」
扉を開けてどうぞ、とジェスチャーをした。
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