住吉 良平 3

 地下都市は碁盤の目のように整備されている。

一定間隔で電気自動車用の車道と歩道が整備され、左右は店が並ぶ大通り。

大通りで区切られたブロックをさらに細かく区切り、歩道のみで左右が住宅になっている小通りだ。

店舗を持って経営しているところは大体がチェーン店で、個人経営店は歩道に屋台を運んで商売をしている。


予定も全くない良平はぶらぶらと買い物へ出かけた。

よく行くのは格安のおでん屋台だ。

おそらくなんの資格も許可も取ってない屋台。

ぶらりと入っておでんをつまむのが良平は好きだ。

「おっちゃんおねがーい。」

「あいよ!」

先客と同じように立ったまま発砲スチロールの皿と割りばしを受け取る。

店主が適当に見繕って入れてくれる。

いわゆるお任せだ。

今日は大根・卵・がんもどき・はんぺん・牛スジの串だった。

このボリュームで400円。

「やっぱ出汁すごいおいしいな。」

「ほめても安くならねぇぞ。」

この屋台の出汁は本当においしい。

絶妙な甘辛さがあり良平はいつも飲み干してしまう。

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