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 確かに年上だろうとは思っていたけど、そんなにとは。あの時代に一回りって、しかも女性の方が年上ってかなりレアケースなのでは・・・? 見合い? とか?

「その・・・どうやって知り合ったんですか?」

「ふふ、気になるかい?」

 すごく、気になります。

「彼女はね、僕の中学時代の先生の妹なんだ」

「先生の妹さん?」

「そう。たまたまね、学校が休みの日に先生と一緒にいた彼女に会ってね。僕は綺麗な人だなぁって思っていたのだけど、実は向こうが僕に一目ぼれをしていたんだよね。本当今でも思うけど、中学生に一目惚れって、笑っちゃうよね」

 確かに、年齢だけを見れば犯罪とも取れなくない。

「それで、どうやって結婚まで? 反対とかされなかったんですか?」

「されたよ、凄くね。普通はあり得ないと思うんだけど、どうしてかな、上手く事が運んで結ばれたんだよね。彼女、昔から気が強くて強引な所があったから」

 ・・・確かにサバサバした感じの人だったけど、まさかそんなことがあったなんて。

「結婚できる歳まで奥さんは待っていたってことですよね? 反対を押し切って」

「ふふ」

 夏目さんは眉を下げて懐かしそうに笑うと、窓の外に視線を送った。

「せっかちな人だったけど、僕が大人になるまで待ってくれたよ。これだけ待たせたんだから幸せにしないと許さないわよ、って言われたなぁ」

「・・・幸せでした?」

「僕の人生はいつも幸せに溢れていたよ」

 そうはっきりと言い放った夏目さんが、柔らかくて強くて恰好良くて。奥さんも同じ気持ちだったら、いや、多分同じ気持ちだったと思う。そんな人生も羨ましいな。

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