第13話 JV
待つこと三日、再び丸新興業の正田さんから電話があった。早ければ十一月半ばに、入場の可能性があるとのこと。それはそれとして俺は気になっていることを確認した。
『どのルートで丸新興業に繋がったのか?』をである。
いろいろと確認すると、長野の会社のルートと判明した。どうやらネットに出ているのは紹介するだけの会社だったようだ。
丸新興業の正田さんは『JVの書類手続きの関係で少しずれるかもしれないが、はっきりと決まったらまた連絡する』と言って電話を切った。
「JV ?」
入場が決まりそうということで一先ず安心をしたものの、俺は電話を切った後に意味の分からない語句が気になった。
いや何となく雰囲気だけはわかるような気もするのだが、それだけに余計曖昧にしておくのが気持ち悪くなった。
分からないことはネットで調べるにかぎる。いつもの常套手段である。
JV とは『ジョイントベンチャー』のことで日本語では『共同企業体』ということが分かった。要するに除染事業を請け負うために、一時的にいくつかの企業が共同体を作ったということなのだろう。
分からないことが一つ解決して、俺は晴れ晴れとした気分になった。
あとは朗報を待つだけである。
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