映画の興奮を短歌で叫んでみる
年明け早々、「バーフバリ 王の凱旋」っていうものすごいインド映画を見た。黄昏の国ニッポンではもはや到底作れないようなド迫力もののアクション叙事詩巨編。鑑賞しながら文字通り「口あんぐり」状態だった。中毒になる人続出で、今「絶叫上映会」なる参加型上映会が今も時々開催されているらしい。タンバリン鳴らしたりコスプレしたり。いやー、楽しいだろうな。
私がこれ観た時は、観客が十数人しかおらず(しかもご年配の方々ばかり)観客席からは時々飲食する音や笑い声が聞こえる位で、まー静かなものだった。心の中では結構絶叫してましたけど、ワタクシは。
……で、この時の興奮をワタクシ、短歌に詠んでみた。
紙コップ膝でつぶれそう王が舞い象がひれ伏す映画見ながら
加藤治郎さんの選で毎日歌壇に掲載された。嬉しかったなあ~。誰かがこの短歌を読んで、「お、この人インド映画見たのかな!」と思い、共感してくれたかもしれない。そう想像するだけでワクワクしてくる。映画館という空間を同じ時間に共有し、一体感を味わうことはかなわなくとも、どこかの誰かと短歌を通じて思いを共有し、繋がれたかもしれない……そう思うとなんだか楽しくなってくる。
短歌の良さってこのライブ感、スピード感もあるなって思う。
私は小説を書く時、割と、ニュースになってる事、社会で話題になってることを取り込むことが多い。けれども様々なニュースや映画を見て感じたことなどを自分に取り込み、熟成させて物語にするには時間がかかる。けれども短歌の場合、もっと生々しい、ホカホカした感覚を三十一文字に入れて投じることが出来る。そして、新聞投稿短歌は特に、話題の出来事やニュースが忘れ去られる前に、それに対する他の人達のフレッシュな気付きや感情を知ることが出来る。顔も知らない全国の歌人と「つながってるなあ~」と思える出会いの場所なのだ。
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